研究課題/領域番号 |
05454446
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 崇英 京都大学, 医学部, 教授 (90026865)
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研究分担者 |
高倉 賢二 京都大学, 医学部, 助手 (10221350)
福岡 正恒 京都大学, 医学部, 助手 (80243012)
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キーワード | 生殖内分泌学 / 局所調節機構 / 細胞分化 / 卵巣細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、卵巣機能における種々の卵巣内局所調節因子の働きに注目し、それらを因子間のネットワーク形成という観点より、詳細に検討する事である。調節因子としては性ステロイド、サイトカイン、成長因子、細胞膜表面ペプチダーゼなどに注目し、実験系としては幼弱マウスの排卵誘発系、ブタ顆粒膜細胞単層培養系、およびヒト黄体化細胞培養系を用いた。ブタ顆粒膜細胞系ではすでにインターロイキン1、腫瘍壊死因子、インターフェロンなどのサイトカインが顆粒膜細胞の増殖、ステロイドホルモン産生能に影響をあたえることを明らかにし報告している。本研究ではそれらに加え、TGF-βおよびアンドロゲンレセプター拮抗剤であるフルタミドが、LH刺激によるブタ顆粒膜細胞の黄体化を抑制すること、またペプチダーゼのインヒビターであるベスタチンが黄体化を促進することなどを明らかとした。幼弱マウスを用いた排卵誘発系においても、フルタミド、及び抗インターロイキン1抗体投与で排卵が抑制され、またベスタチン投与で排卵が促進されることが明らかとなり、上記の調節因子が生理学的に重要であることが示唆された。更にヒト黄体細胞において、ジペプチヂルペプチダーゼIVに引き続いて、HLA-DR抗原も黄体化に伴う分化抗原であることが明らかとなり、免疫系も含めた調節機構の存在が示唆された。これら分化抗原の発現機構をヒト黄体化顆粒膜細胞培養系を用いて、フローサイトメトリー法で分析したところサイトカインで発現が制御されていることが、明らかとなった。次年度は以上の知見をもとに各因子間の相互作用に重点をおき更に検討を進める。
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