研究課題/領域番号 |
05454449
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 正 大阪大学, 医学部, 助手 (90240845)
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研究分担者 |
上浦 祥司 大阪大学, 医学部, 助手 (10243213)
大橋 一友 大阪大学, 医学部, 助手 (30203897)
東 千尋 大阪大学, 医学部, 助手 (20151061)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 講師 (90093418)
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キーワード | オキシトシン / オキシトシン受容体 / モノクローナル抗体 / 一過性発現系 / オキシトシン受容体遺伝子 / 5′上流領域 |
研究概要 |
ヒトにおけるオキシトシンの特に分娩時における生理的、病理的意義を検討し以下の結果を得た。(1)我々がクローニングしたcDNAより予測されるアミノ酸配列に基づき合成ペプチドを作成、これを抗原とした抗ヒトオキシトシン受容体モノクローナル抗体を樹立した。(2)オキシトシン受容体発現の変化を微量検体で測定できるRT-PCR法を確立し、これを妊娠時子宮頸管由来の擦過細胞に応用した。(3)オキシトシン受容体の薬理学的特性を明らかにするためにそのクローンをCOS-7細胞、アフリカツメガエル卵母細胞上に一過性に発現せしめ、種々のリガンドの受容体への結合特性、生理学的反応を検討する系を確立した。(4)オキシトシン受容体のヒトゲノム上での位置、構造ならびに塩基配列を明らかにした。以上の結果を用いて、a)ヒトの分娩時に卵膜、子宮筋層でオキシトシン受容体が増加するがその局在は繊毛膜、脱落膜細胞に存在し、又、子宮筋層では一部の平骨筋細胞のみが受容体を発現していること。b)その発現は遺伝子の5′上流領域の塩基配列の解析からNF-IL6、APREといった炎症性反応物質の影響を受けている可能性があること。又、c)子宮筋がアルギニン-バゾプレッシンで収縮することが報告されているが、それはオキシトシン受容体の部分的アゴニスト作用による可能性があることを示すことができた。これは分娩時におけるオキシトシン受容体を介した陣痛調節の重要性を示すものである。
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