研究概要 |
1:細胞接着因子による子宮頚癌細胞のCell Cycleの変化、および増殖能の変化の検討:Fibronectin,Lamininとの接着により子宮頚癌細胞HeLa,CAC-1,TMCC,SiSoのcell cycle population,増殖曲線に変化は認められず、これらの接着因子は子宮頚癌細胞の増殖に影響を与えないと考えられた。 2:ヒト子宮由来線維芽細胞による子宮癌細胞の遊走性、浸潤性の変化の検討:ヒト子宮頚部、体部内膜、体部筋層の間質細胞をtranswell下槽に初代単層培養し、上槽に培養した子宮癌細胞の遊走性、浸潤性をmigration assay,invasion assayを用いて検討した。HeLa,CAC-1,TMCC,SiSo,RL95-2全ての子宮癌細胞は子宮由来間質細胞によりその遊走性は促進された。この遊走性の促進は間質細胞をVitaminC,TGF-b1で前処理することによりさらに促進された。この遊走性促進効果はchekerboard analysisによりchemotaxisであることが判明した。HeLa,CAC-1,TMCC,SiSoの浸潤性はTGF-b1,Vit Cにて前処理した子宮頚部間質細胞のみにより促進されたが、間質細胞の存在のみでは有意な変化が認められなかった。この遊走、浸潤促進作用は間質細胞をcycloheximideで前処理すること、または抗fibronectin抗血清を培養液中に添加することにより抑制された。間質に存在するヒトリンパ球も子宮癌細胞の遊走性、浸潤性に対し促進的に影響することが判明した。 3:接着因子による子宮癌細胞の蛋白分解酵素産生能の調節の制御の可能性に関する検討:Lamininとの係合により子宮癌細胞のtype IV collagenaseの産生は促進された。Lamininの接着ドメインであるYIGSRも同様に子宮癌細胞のtype IV collagenase産生を促進した。fibronectin,ヒトfibroblast conditioned mediumの影響については現在検討中である。 4:免疫酵素抗体法による子宮癌細胞のprotease産生については現在検討中である。
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