研究概要 |
1.equine Chorionic Gonadotropin(eCG)およびhuman Chorionic Gonadotropin(hCG)で排卵処置をした未熟雌ラットに、M-CSF、抗M-CSF抗体を投与した。排卵数は、M-CSF投与により用量依存的に増加し、その至適投与時間はeCG投与の48から1時間前であった。また、抗M-CSF抗体により排卵数は有意に減少し、その至適投与時間はeCG投与の24時間後からhCG投与の3時間後であった。eCG投与後24時間のM-CSF投与ラット卵巣凍結切片に抗ラット・マクロファージ(Mφ)抗体を用いて免疫染色を行った。preantral,antral,mature follicleはそれぞれ増加し、卵胞腔内のMφも有意に増加した。 2.体外受精施行婦人の血清および卵胞液M-CSF濃度をELISA法を用いて測定した。血清M-CSF濃度は卵胞期から増加し、採卵時期の前後で最高値を示した。また、採卵時の血清と卵胞液M-CSF濃度は後者が有意に高値を示した。 3.Informed consentの得られたhuman menopausal gonadotropin(hMG)反応不良排卵障害例6例に、M-CSFを併用したhMG-hCG療法を施行した。このうちgrowth hormone(GH)分泌正常であった2例に複数の卵胞発育と適切なE2,progesterone分泌を認めた。
|