研究課題/領域番号 |
05454455
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
蔵本 博行 北里大学, 医学部, 助教授 (80050491)
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研究分担者 |
渡辺 純 北里大学, 医学部, 助手 (10201188)
辻井 篤 北里大学, 医学部, 助手 (70207372)
大河原 聡 北里大学, 医学部, 助手 (50185211)
加藤 良樹 北里大学, 医学部, 講師 (70146439)
秦 宏樹 北里大学, 医学部, 講師 (30146451)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | c-erbB-2癌遺伝子 / TGF-α / autocrine増殖調節 / 子宮体癌 / ホルモン依存性増殖因子 |
研究概要 |
(1)癌遺伝子発現と体癌の発生 正常子宮内膜,増殖症,体癌という組織発生を考慮しホルモンとの因果関係を表らかにする目的で三者を合併した症例において、c-erbB-2癌遺伝子蛋白発現を免疫組織学的に検索したところ、同一症例においては体癌部で,症例別では組織分化度の低い症例すなわちホルモン非依存性癌でその発現は強かった。in vitro樹立培養細胞株でも原腫瘍の組織分化度の低いもので強い発現を認めた。しかし抽出DNAによるサザンブロット解析においては、遺伝子増幅と組織分化度および蛋白発現は一致しなかった。またホルモン反応性Ishikawa細胞ではエストロゲンにより、c-erbB-2蛋白発現は増強され、癌化のメカニズムとしては遺伝子増幅より、遺伝子発現が重要であることが示唆された。 (2)ホルモン誘導性増殖因子の産生・分泌ならびに増殖調節 子宮体癌細胞の増殖が、エストロゲン誘導性増殖因子によるautocrine調節であることを表らかにする目的で、子宮体癌細胞培養中の培地内へ産生・分泌される増殖因子を検討した。培地中にはTGF-α,IGF-Iが分泌され、Ishikawa細胞のTGF-α産生・分泌はエストロゲンにより濃度時間依存性に亢進され、プロゲスチン、抗エストロゲン剤により抑制された。さらにautocrine調節に携わるか否かを確かめる為、抗TGF-α抗体、抗EGF受容体抗体を添加したところ、体癌細胞8種全てが、増殖抑制された。 抑制の程度は両抗体に差を認めなかったが、細胞間ではかなりの抑制の度合いが異なり、必ずしもTGF-α系のみが、autocrine調節機構ではないことが示唆された。ホルモン依存性体癌においてはエストロゲン→TGF-αという増殖調節、非依存癌では種々の増殖因子による増殖調節機構が存在することが明らかにされた。
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