研究課題/領域番号 |
05454463
|
研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
進 武幹 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (70080869)
|
研究分担者 |
松瀬 敏章 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (60244018)
前原 法文 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30199640)
梅崎 俊郎 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80223600)
前山 忠嗣 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (20145189)
渡辺 宏 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (50109394)
|
キーワード | 喉頭 / 防御反射 / 嚥下反射 / 延髄 / 眼窩回 / 嚥下 / 関連ニューロン / 喉頭知覚誘発電位 |
研究概要 |
喉頭の防御反射の一つである嚥下反射は大脳皮質より何らかの影響を受けていることが知られている。そこで、皮質より嚥下のパターン形成機構に対する投射の存在を逆行性および順行性トレーサーを用いた組織学的手法と電気生理学的手法を用いて証明し、さらにその投射の生理学的意義についても検討を行った。 トレーサーを用いた実験結果より眼窩回吻側部から両側の嚥下関連ニューロンへの投射経路が存在していることが示唆された。また電気生理学的実験結果からもすべてのタイプの嚥下関連ニューロンに眼窩回吻側部からの入力が存在することが確認された。この皮質-延髄投射は嚥下のパターン形成器の活性化の閾値を変化させることによって嚥下の起こりやすさを調節していると考えられる。 反射性嚥下の惹起には咽喉頭からの知覚情報が必須であるが、咽喉頭粘膜の知覚機能を的確に、また客観的に評価する検査法は確立されていない。そこでネコを用いて喉頭粘膜を支配する知覚神経の電気刺激によって誘発される脳幹電位および短潜時の皮質電位の導出を行って分析し、その臨床応用を検討した。ネコの上喉頭神経の刺激によって得られる脳幹および皮質電位、すなわち喉頭知覚誘発電位(laryngeal sensory evoked potential:LSEP)は容易に導出記録でき、また切断、破壊あるいは刺激実験によりその起源も同定できた。しかしながら臨床例ではその導出分析はきわめて困難であるため、喉頭知覚誘発電位の導出による喉頭知覚機能の評価法には限界があり、喉頭粘膜をレーザー光で刺激し、内外喉頭筋より得られる反応の潜時や応答様式を検討することによって喉頭の知覚機能を評価する方法の臨床的有用性について現在検討を行っている。
|