研究課題/領域番号 |
05454464
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
森田 守 自治医科大学, 医学部, 教授 (00048969)
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研究分担者 |
西野 宏 自治医科大学, 医学部, 助手 (50245057)
安田 豊稔 自治医科大学, 医学部, 助手 (90245069)
五十嵐 丈人 自治医科大学, 医学部, 助手 (30201304)
宮田 守 自治医科大学, 医学部, 講師 (50159175)
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キーワード | 上顎洞癌 / 集学治療 / 低線量放射線治療(照射) / 線溶系因子 / QOL |
研究概要 |
上顎洞癌に対し、腫瘍壊死部分の減量手術と平均24Gy・7回の照射・動注を組み合わせ、その後に眼球・硬口蓋を保存しながら腫瘍全摘出を追加する併用療法において、低線量放射線治療の意義、線溶系因子と予後との関係、術後の機能障害について検討した。 1.低線量放射線治療の抗腫瘍免疫に及ぼす影響について(西野) 平均24Gyの低線量照射が宿主の免疫能に及ぼす影響をみるために、西野はラット肉腫細胞(KMT-17)をF344/Jclラット大腿部筋肉内に移植し、移植部に0.5〜50Gyの^<60>Co照射を行い、照射後7日目に採取したラット腹腔内遊離細胞が、0.5,2〜20Gy照射群では、非照射群よりも有意に標的細胞(KMT-17)に対し障害性活性を示すことを認めた。 2.頭頚部扁平上皮癌における線溶系関連因子の免疫学的検討(安田) 安田は頭頚部扁平上皮癌につき、線溶系関連因子として、urokinase-type plasminogen activator(u-PA)、tissue-type plasminogen activator(t-PA)、type I plasminogen activator inhibitor(PAI-I)、plasminogen、vitronectin、urokinase(UK)の免疫組織学的染色を行い、上顎洞扁平上皮癌細胞および唾液腺癌細胞でu-PA、PAI-Iは強く反応すること、およびplasminogenとvitronectinは癌組織辺縁と周囲間質に反応性が高いことを認めた。またUKが染色された症例では転移が多い傾向を認め、頭頚部癌でも、癌細胞の浸潤・転移形成と、周囲間質の防御機構に、線溶系因子が関与している可能性を示唆した。 3.治療後のQOLについて(宮田,五十嵐) 宮田および五十嵐は、本療法を行った患者に、術後の疼痛、開口障害、咀嚼障害、視力、顔面の変形、作業能力についてアンケート調査を行い、その結果、術創の痛み、開口・咀嚼障害、日常の仕事に関しては不満が少ないが、複視や顔面の変形についてはまだ問題が残っていることを明らかにした。
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