研究課題/領域番号 |
05454478
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
宇山 昌延 関西医科大学, 医学部, 教授 (30025580)
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研究分担者 |
高橋 寛二 関西医科大学, 医学部, 講師 (60216710)
岸本 直子 関西医科大学, 医学部, 講師 (10194838)
西村 哲哉 関西医科大学, 医学部, 講師 (30156111)
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キーワード | ICG赤外蛍光眼底造影 / 蛍光眼底造影 / 脈絡膜循環障害 / 脈絡膜新生血管 / 網膜下新生血管 / レーザー光凝固 / インドシアニン・グリーン |
研究概要 |
1.網膜脈絡膜におけるインドシアニン・グリーン(ICG)の組織学的証明 ラットにICGを静注投与して、10秒から30分までの間にICG赤外蛍光造影の上、眼球摘出し、冷凍固定で細切、半導体レーザー光を光源として赤外線光学顕微鏡を用いて超感度テレビカメラで画面に映像化し、網膜脈絡膜におけるICGの局在を直接観察することに成功した。ICGは網膜血管からは漏出しなかった。脈絡膜毛細血管からは血管外に漏出し、脈絡膜実質を内側から外側、さらに強膜にまで浸潤した。しかし、網膜色素上皮から網膜側へは通過しなかった。 網膜にレーザー光凝固を行うと、光凝固によって網膜色素上皮が損傷された部位からICGは網膜側へ浸潤した。今後、さらに網膜色素上皮や脈絡膜血管を実験的に障害させ、ICGの浸潤状態を観察し、その局在を明らかにする。 2.実験的脈絡膜新生血管のICG赤外蛍光造影所見と病理組織所見との対比検討 サル眼網膜にレーザー光凝固を行って実験的に脈絡膜新生血管を作成、その後フルオレセインを用いる通常の蛍光造影、ICG赤外蛍光造影の上、眼球摘出した病理組織標本および血管鋳型標本を作り、光顕、電顕、走査型電顕で観察し、ICG赤外造影は網膜下出血でおおわれた部では蛍光造影よりもよく新生血管を検出し、両造影は相補的関係にあることが明らかになった。 3.実験的脈絡膜循環障害のICG赤外蛍光造影所見と病理組織所見の対比検討 サル眼の後毛様動脈を切断して脈絡膜循環障害を実験的に作成、その後蛍光造影,ICG赤外造影の上、病理組織標本、血管鋳型標本を観察した。耳側の長後毛様動脈を切断すると耳側脈絡膜は比較的血行不全部(充盈遅延部)と絶対的血行欠損部(充盈欠損部)があり、欠損部は網膜外層の壊死に陥った。しかしこの部にも過静脈から逆流する血行がみられた。また欠損部への血行は日と共に改善することが明らかになった。 4.これら実験とICG赤外造影所見の対比から正しい読影をするための知見を蓄積することができた。
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