研究課題/領域番号 |
05454484
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
浜田 吉則 関西医科大学, 医学部, 講師 (00172982)
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研究分担者 |
辻 正純 関西医科大学, 医学部, 助手 (10247926)
古形 宗久 関西医科大学, 医学部, 助手 (90211234)
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キーワード | 異系小腸移植 / 短小腸 / ラット / 小腸粘膜増殖因子 / 栄養学的効果 |
研究概要 |
本研究はラットにおける同所性異系部分小腸移植において、小腸粘膜増殖因子を用いてどこまで短小腸の移植で栄養学的に生存可能かをみるものである。ラット小腸移植モデルの作成は、donorにBrown-Norway雄性ラット、recipientにLewis雄性ラットを用いた。平成5年度では移植手技の予備実験として、全小腸を切除し同時に全小腸移植片で置換する同種におけるモデルを作成した。しかし最長16日の生存例を得るにとどまり、ラットの長期生存がほとんどなく、グルタミン投与による効果もみられなかった。このため平成6年度からは移植片を空腸の約10cmを採取する方法に変更した。この手技についてはさらに田口らのlong pedicleを作成する方法を採用しており、任意の長さの小腸が採取できる。移植片はまずThiry-Vella loopとして、一旦腹壁にstomaとして空置するが、2週後にはrecipientの小腸を切除して、移植片と端端吻合を行う。この手技の習熟におりdonor ratからの移植片の採取についてはほぼ一定の良好な成績が得られるようになってきた。しかしrecipient ratへの移植手技、移植中の全身管理などにまだ問題点が残されている。移植生着率の向上に平成7年度にラットの術中輸液ポンプ、手術用顕微鏡の助手用アダプターを申請した。これらによって生着率はさらに向上し、平成7年には長さの異なる移植片で、グルタミン、EGF、両者併用による成績が出せるものと思われる。移植手技の安定により、移植腸管の口側を一期的に吻合する群を設定することによって、粘膜増殖因子の作用が移植腸管空置の有無でどのように変化するかなど、さらに興味ある成績が付け加えられるものと考える。
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