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1993 年度 実績報告書

感覚受容の場としての歯根膜:終末装置の機能特性解明の形態学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 05454488
研究機関新潟大学

研究代表者

前田 健康  新潟大学, 歯学部, 助教授 (40183941)

研究分担者 大島 勇人  新潟大学, 歯学部, 助手 (70251824)
高野 吉郎  新潟大学, 歯学部, 教授 (90126425)
キーワード歯根膜 / チロクロームオキシダーゼ / 酸性フォスフォターゼ / ルフィン神経終末 / 発生 / インプラント / PGP 9.5 / 免疫組織化学
研究概要

当社の計画通り、ロータリーミクロトームおよびマイクロスライサーの購入により免疫組織化学的、酵素組織化学的ならびに発生学的研究を順調に進展させることができた。現在までに得られた知見は次のとおりである。
1.非特異的コリンエステラーゼの酵素組織化学と神経特異タンパクの免疫組織化学の二重染色により、歯根膜機械受容器は根尖周囲に、侵害受容器は歯根膜組織全域に分布していることが明らかとなった。
2.cytochrome oxidase Cの活性がRuffini神経終末の軸索終末のほとんどすべてのミトコンドリアに発現していた。一方、強いACPase活性がRuffini神経終末に付随している終末シュワン細胞に観察され、これら酵素が歯根膜Ruffini神経終末のマーカー物質となることが示された。
3.神経特異タンパクの一つで、発生初期からその抗原性が発揮されていることが知られているprotein gene product 9.5(PGP 9.5)に対する抗体を用いて、歯根膜Ruffini神経終末の発生、成熟過程を経時的に検索した。歯根膜Ruffini神経終末は出生直後からその形成が開始され、歯牙の萌出、咬合力による機能圧負荷により歯根膜Ruffini神経終末の成熟過程が劇的に進行することが明らかになった。
4.インプラント植立時における周囲組織の神経線維の動態を免疫組織化学的に検索したところ、インプラント体と周囲歯槽骨が完全な骨結合をした場合には、一過性に神経線維の分布密度は増すものの、最終的には減少、消失した。インプラント周囲組織には感覚受容機構の再生する可能性はかなり低いと考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 澤田雅仁ほか: "インプラント周囲組織の経時的変化-特に神経線維の動態について-" 補綴誌. 37. 144-158 (1993)

  • [文献書誌] K.Kannnari et al.: "Sinusoidal vessels in the periodontal ligament of hamster incisors:Their distribution,structure and possible function." Arch.Histol.Cytol.56. 91-99 (1993)

  • [文献書誌] T.Maeda et al.: "Cytochrome oxidase activity as a marker for periodontal sensory receptors." Arch.Oral Biol.38. 255-259 (1993)

  • [文献書誌] T.Maeda et al.: "Histochemical demonstration of acid phosphatase activity in periodontal Ruffini endings in rat incisors." Arch.Oral Biol.38. 611-617 (1993)

  • [文献書誌] I.Saito et al.: "Alteration of nerve growth factor-receptor expression in the periodontal ligament of the rat during experimental tooth movement." Arch.Oral Biol.38. 923-929 (1993)

  • [文献書誌] K.Nakakura-Ohshima et al.: "Postnatal development of periodontal innervation in rat incisors:An immunohistochemical study using protein gene product 9.5 antibody." Arch.Histol.Cytol.56. 385-398 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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