研究課題/領域番号 |
05454490
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
北野 繁雄 明海大学, 歯学部, 教授 (30049374)
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研究分担者 |
菊池 寛高 明海大学, 歯学部, 助手 (70234193)
天野 滋 明海大学, 歯学部, 講師 (90167958)
花澤 重正 明海大学, 歯学部, 助教授 (60060258)
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キーワード | 歯周疾患 / P..gingivalis / 線毛 / 骨吸収作用 / サイトカイン |
研究概要 |
Porphyromonas gigivalis(P.gingivalis)の線毛が歯周囲疾患の発症において重要な役割を果たしていることを既に私どもは報告している。しかし歯周疾患の病態の一つである骨吸収に、この線毛がどのような作用を示すかはまだ十分に検討されていない。この点は本線毛のワクチンへの応用を試みる上で重要のように思える。そこで、本年度研究においてこの骨吸収刺激作用とその作用機序について企画した。 〔材料および方法〕1)線毛の精製;P.gingivalis ATCC33277株よりYoshimuraらの方法に従い精製した。2)頭蓋冠細胞の調製;妊娠マウス14日目の胎児頭蓋冠を採取し、酵素法にて骨細胞を調製したのち、研磨した牛大腿骨骨片上に頭蓋冠細胞を移植した後、P.gingivalis 線毛を含む10%FBS添加alpha-MEM下で培養した。一定期間培養後その細胞をTRAP染色しその陽性細胞の存在と、骨吸収窩の形成を主走査型電子顕微鏡にて観察し、その面積を求めた。 〔結果および考察〕骨吸収窩の面積はP..gingivalis線毛4mug/mlで濃度依存的に増加した。そしてその骨吸収活性はindomethacin(200ng/ml)で抑制した。このことはP..gingivalis 線毛の骨吸収活性にはプロスタグランジンが開与していることを示唆した。また骨吸収系において、破骨細胞の前駆細胞に対するプロスタグランジンの骨吸収活性は、1alpha25,(OH)_2D_3(10^<-8>M)で一日処理が必要である。またindomethacinとP..gingivalis 線毛を同時に6時間処理し洗浄した後、indomethacin添加した24後の培養上清とプロスタグランジンを破骨細胞の前駆細胞に作用させた結果、プロスタグランジン濃度依存的に骨吸収活性を増加させた。これはP..gingivalis線毛の骨吸収活性におけるプロスタグランジン関与はP..gingivalis線毛による培養上清中に出るある因子の関与が必要あることを示唆した。
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