研究概要 |
1.歯槽骨吸収実験モデルにおける実験 本年は研究の初期段階として、in situ hybridization,ならびにnorthern bloting法による解析の基礎的手技に関する検索を行なった。In situ hybridizationに関しては^<35>Sによる標識プローブを用いた解析を行っていたが、今回新しく非放射性プローブを用いた検索を試みた。すなわちDIG標識RNAプローブを作製し、これを組織切片とハイブリダイズしたのち、抗DIG抗体と反応させアルカリフォスファターゼ発色により検出して観察した。その結果、非放射性プローブを用いても十分にシグナルを観察できることが明らかとなり今後の実験にはこの方法を用いることにした。 2.単離破骨細胞を用いた実験 ラット新生児の脛骨より破骨細胞を単離し、その動態をビデオを用いた微速度撮影法により記録し観察を行った。実験系の問題点として単離破骨細胞の生存率に関して改善を加えないと長時間の観察を行えないことがあり、この点に関して検討を加えた。その結果、培地を還流することにより比較的長期間培養が行えることが判明し、今後この方法を用いて実験を行うことにした。また骨切片上にて培養を行い骨吸収を行っている破骨細胞の動態を記録する試みを行い、さらに共焦点レーザースキャン顕微鏡による観察の可能性を探索した。 本研究計画を実行するには、当初考えた以上に手技的な方法の研究、開発が必要であり、本年度は実験手技に改良を加えて研究の実行が確実に行えるように工夫を行なった。次年度以降改良を加えた実験系により当初の研究目的の実現を計る予定である。
|