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1993 年度 実績報告書

新鮮脳薄切標本を用いた顎運動パターン形成に関与する中枢神経機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05454501
研究機関大阪大学

研究代表者

井上 富雄  大阪大学, 歯学部, 講師 (70184760)

研究分担者 脇坂 聡  大阪大学, 歯学部, 助教授 (40158598)
松尾 龍二  大阪大学, 歯学部, 助教授 (30157268)
キーワード三叉神経運動核 / 運動ニューロン / in vitro / モルモット / 細胞内記録 / セロトニン
研究概要

【研究目的・方法】
脊髄や脳幹部の運動ニューロンには豊富なセロトニン入力があり、セロトニン入力は運動ニューロンに対する入力を促進する役割があるのではないかと考えられている。そこで平成5年度は、モルモットの脳幹部のスライス標本を用いて三叉神経運動ニューロンから細胞内記録を行い、セロトニンの還流投与による影響を調べることで三叉神経系の運動出力に対するセロトニン入力の役割を調べた。
実際には体重150から300gの雄モルモットを用いマイクロスライサーを用いて厚さ400μmの脳幹部の切片を作成した。ガスインターフェースタイプの記録用チャンバーにスライス標本を設置し、実体顕微鏡観察下にて三叉神経運動核内にガラス管微小電極を刺入し、三叉神経運動ニューロンから細胞内記録を行った。
【研究成果】
セロトニン還流投与により、三叉神経運動ニューロンにおいて投与前に比べて以下の変化が認められた。
1.記録されたほとんどのニューロンにおいて静止膜電位が上昇した。
2.過分極パルス通電による膜電位変化の大きさが増大し、入力抵抗の増大が認められた。
3.コントロール時では過分極パルス通電によりSAGが認められなかったが、セロトニン投与によりSAGが認められるようになったニューロンが存在した。
4.脱分極パルスによるスパイク発射頻度が上昇し、ニューロンの興奮性の上昇が認められた。
5.スパイク後過分極が減少したニューロンが認められた。
以上の結果からセロトニンは三叉神経運動ニューロンの興奮性を上昇させることが示唆された。今後は閉口筋運動ニューロンと、開口筋運動ニューロンとの間の相違などを調べ、顎運動出力調節機構の詳細を検討していく計画である。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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