研究課題/領域番号 |
05454508
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
亀山 泰永 朝日大学, 歯学部, 助教授 (50161245)
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研究分担者 |
愼 順玉 朝日大学, 歯学部, 助手 (30226336)
神谷 真子 朝日大学, 歯学部, 助手 (80181907)
八代 耕児 朝日大学, 歯学部, 講師 (50182316)
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キーワード | ラット耳下腺 / 開口分泌 / in vitro分泌モデル / 分泌顆粒 / 形質膜 / リン脂質分解酵素 / G-タンパク質 / 細胞骨格系タンパク質 |
研究概要 |
本研究では、耳下腺細胞を分泌のモデル細胞とし、分泌最終段階の開口分泌の分子機構の解明のために、その観察が単純かつ分子レベルでおこなえるin vitro分泌モデル系(Biochim.Biophys.Acta 1116(1992)104-111)を用いて、分泌の制御機構の解析を試みた。用いたin vitro分泌モデル系のassayシステムを確実にするため、同系の膜動態をオクタデシルロ-ダミンB膜標識によるfluorescence dequenching法で解析したところ、膜融合と分泌現象およびリン脂質分解代謝産物(遊離脂肪酸、ホスファチジン酸、1,2-ジアシルグリセロール)による開口分泌の制御が相同していることが確認できた(J.Biochem.投稿中)。これら分解代謝産物の生成酵素(リン脂質分解酵素)の細胞内局在の解析から、形質膜および分泌顆粒膜脂質に特異的に動的変化をもたらすことが明らかとなり(投稿準備中)、リン脂質分解酵素系が膜融合部位決定および分泌亢進の一つの要因になっている可能性が示唆できた。これらの酵素系は三量体または低分子量GTP結合タンパク質(G-タンパク質)で活性調節されているものが多く、さらに、それらG-タンパク質は耳下腺細胞の形質膜および分泌顆粒膜での局在がそれぞれ異なる(Life Sci.55(1994)213-219)ことから、どの酵素が何れのG-タンパク質でどのように活性調節されるのかが今後の課題として残った。一方、細胞骨格系タンパク質(ミクロフィラメント、微小管)は形質膜と強固に結合しているものの、分泌顆粒膜とは直接的には相互作用をしていないことが示唆され、さらにin vitro分泌モデル系での解析から、これら細胞骨格系タンパク質が分泌抑制の要因になっている可能性が明らかになった(投稿準備中)。今後は、分泌亢進および抑制の調節相関が問題となった。
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