研究課題/領域番号 |
05454516
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
栗原 英見 岡山大学, 歯学部, 助教授 (40161765)
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研究分担者 |
宮本 学 岡山大学, 歯学部, 助手 (40252978)
中川 政嗣 岡山大学, 歯学部, 助手 (80243468)
小林 芳友 岡山大学, 歯学部, 助手 (90234856)
永井 淳 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (70252989)
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キーワード | 若年性歯周炎 / 好中球 / 走化能 / プロテインキナーゼC / LFA-1 / FMLP / cAMP |
研究概要 |
(1)若年性歯周炎患者の診断・選択 1.FMLPに対する走化能が健常者のそれと比較して明らかに低下している早期発症型歯周炎患者7名を見い出した。その内、1名は全顎型若年性歯周炎、2名は限局型若年性歯周炎(LJP)、3名は急速進行性歯周炎、他の1名はLJP患者の一人の兄である。 2.LJPの中の一人の好中球はFMLP刺激によっても、接着分子LFA-1が充分に発現していなかった。そこで、この患者のB-cellをEB-virusでtransformしcell lineを作った。この、cell line化したB-cellはProtein kinase C(PKC)の刺激剤であるPMAによってもLFA-1を充分に発現しなかった。 (2)患者好中球のCキナーゼ系細胞内情報伝達機構の解析 1.FMLPに対する走化能が低下している好中球ではPKCの活性が低い傾向があった。また、FMLPに対する走化能が低下している好中球では、PMA刺激によるPKCの細胞膜への移動が少なかった。 2.PKC分子そのものの量を二次抗体に免疫学的手法で測定したが、感度の問題から測定誤差が大きく、方法の改良が必要である。 3.RT-PCR法によって好中球から抽出した全mRNAからmRNAを増幅することができた。FMLPに対する走化能とPKCのmRNA発現量との関係については、まだはっきりした傾向を見い出せない。 (3)好中球のAキナーゼ系細胞内情報伝達機構の解析 1.FMLPに対する走化能が低下している好中球を、cAMP代謝阻害剤であるIBMXで処理することによって、FMLPに対する走化能が回復する傾向をしめした。 2.FMLPに対する走化能が正常な好中球を、IBMXおよびFMLPで処理すると、IBMX単独で処理した場合よりも大きなcAMPレベルの上昇が起こることを確認した。
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