研究課題/領域番号 |
05454519
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
原 宣興 長崎大学, 歯学部, 助教授 (60159100)
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研究分担者 |
吉村 篤利 長崎大学, 歯学部, 助手 (70253680)
尾崎 幸生 長崎大学, 歯学部, 助手 (60204187)
谷 真彦 長崎大学, 歯学部, 助手 (70188374)
市丸 英二 長崎大学, 歯学部, 助手 (60223111)
加藤 伊八 長崎大学, 歯学部, 教授 (30005087)
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キーワード | 骨吸収 / Tリンパ球 / ヌードマウス / SCIDマウス |
研究概要 |
辺縁性歯周炎は細菌性の炎症性疾患といわれており、生体側の免疫系はそれに対して防御的に働いている。しかしその一方、免疫系は組織破壊にも関わっているという仮説があるが、具体的にin vivoでそれを明らかにした報告は少ない。そこで本研究では、この仮説どおりに免疫系が生体防御のみならず組織破壊にも関連しているのかを明らかにすることを目的とし、免疫系の細胞間相互作用を調節するとされるTリンパ球が組織破壊におよぼす影響について検討した。 正常マウスを対照として、Tリンパ球の欠損したヌードマウス、T、B両リンパ球が欠如したスキッドマウスの歯周組織にE.coli由来内毒素を1日おきに最長13回注入すると、正常マウスでは4回投与後に破骨細胞性の骨吸収が観察されたのに対し、ヌードマウスでは7回、スキッドマウスでは10回投与後に初めて観察された。これより内毒素による骨吸収へのTリンパ球の関連が強く示唆されたため、さらに以下の実験を行った。まず正常マウスの脾臓からTリンパ球画分を抽出、これをヌードマウスに移入して上記の実験同様歯周組織に内毒素を注入したところ、正常マウスより程度は弱いものの投与後4回目には破骨細胞性の骨吸収が観察された。逆に、Tリンパ球に対するモノクローナル抗体を投与することで正常マウスのTリンパ球を除去した後歯周組織に内毒素を投与すると、7回目でも骨吸収の出現は観察されず、13回では急速な骨吸収活性の上昇が起こっていた。さらに興味深いことに、Tリンパ球のサブセットのうちとくにCD4陽性のサブセットと骨吸収との関連がうかがわれた。これらの結果を総合すると、Tリンパ球が骨吸収、とくにその初期の段階で関連していることが明らかである。そしてこれにはおそらくTリンパ球の産生するサイトカインが強く影響しているのであろうが、これについてはこれからの課題としたい。
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