研究課題/領域番号 |
05454528
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大山 喬史 東京医科歯科大学, 歯学部・障害者歯科学講座, 教授 (50064366)
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研究分担者 |
中村 嘉男 東京医科歯科大学, 歯学部・口腔生理学講座, 教授 (10010026)
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キーワード | 口腔機能 / 運動機能 / ヒト / H波 / 脊髄単シナプス反射 / 促通 / 顎運動 / 非相動性 |
研究概要 |
これまで研究代表者らは口腔機能と全身の運動機能との相関に関して、ヒトにおいて噛みしめ行為とヒラメ筋H反射との相関の有無を検索し、噛みしめによりこの脊髄単シナプス反射が著しく促通を受けること、その促通の程度は咬合力と正の相関を示すこと、この促通には上位中枢からの運動司令と口腔領域に生ずる感覚情報の両者が関与することをこれまで見出した。 一方、ヒトは眠気の防止や集中力の増進、気分転換などにガムを噛むことは日常よく経験する。これらのことは顎運動も全身と密接な関係があることを示唆している。そこで本研究は、健康成人を被検者として、リズミカルな顎運動と全身の運動機能との相関をヒラメ筋H反射を指標に解析した。リズミカルな顎運動には、1)口腔内に何もない状態で歯牙を接触させないようにする運動と、2)ガムをリズミカルに咀嚼する運動の2種類を採用し、これらを被検者にセルフペースで行わせた。ヒラメ筋H反射の誘発するタイミングは、被検者の予測、構えの影響を排除するために、コンピューターの発生する乱数によって無作為に変化させた。 その結果、4名の被検者全員で、1)空口状態での顎運動中ならびにガム咀嚼時とも、安静状態に比較して、ヒラメ筋のH反射は有意な(P<0.05)促通を受けることが判明した。2)顎運動を閉口相、開口相の2相に分けて解析すると、両者の間に促通量の有意差(P>0.05)は認められず、H反射はリズミカルな顎運動中、非相動性の持続的な促通を受けていることが明らかとなった。
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