研究課題/領域番号 |
05454535
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
平澤 忠 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80064335)
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研究分担者 |
平林 茂 奥羽大学, 歯学部, 講師 (30121130)
菊井 徹哉 奥羽大学, 歯学部, 助手 (00254871)
福島 俊士 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60014205)
河野 篤 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00064345)
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キーワード | 接着試験 / 歯質前処理剤 / プライマー / フィチン酸 / フッ化錫 / 接着耐久性 |
研究概要 |
1.プライマーの一液化に関して、フィチン酸とフッ化錫の混合溶液の処理効果をPhoto Bondの牛歯への接着強さから評価した。10%のフィチン酸水溶液にフッ化錫を0.05〜0.2モル当量添加した前処理剤4種を調製し、それらの効果を従来の二液処理と比較した。一液処理剤ではフッ化錫の添加量の減少とともに接着強さは向上する傾向は認められたものの、いずれの処理剤も従来の二液処理に比較して接着強さは低下した。 2.4種の合着用レジンセメントと1種の従来型グラスアイオノマーセメントの人歯象牙質に対する接着における処理効果を、接着強さから評価した。いずれの材料においても、初期接着強さは、付属の処理剤と同等かそれ以上の値が得られた。また、サーマルサイクル5000回後の接着強さも、レジンセメントの場合、やや低下する傾向は認められるものの、耐久性は向上する傾向が認められた。また、アイオノマーセメントの場合は、材料自体の感水性に依ると思われる大きな低下が認められたものの、耐久性は10%ポリカルボン酸処理に比較して向上した。 3.3種の合着用レジンセメントのOCCセラミックスに対する接着における処理効果を、接着強さから評価した。いずれかの材料においても、シランカップリング剤との併用により、初期接着強さは付属の処理剤を使用した場合と同程度の値を示した。さらに、2種のセメントでは、シランカップリング剤を使用しなくとも、本プライマー処理だけで同程度の接着強さを示した。現在、耐久性について試験中である。 4.2種の合着用レジンセメントの合成アパタイトに対する接着における処理効果を、接着強さから評価した。いずれの材料においても、初期接着強さは通常の40%リン酸処理と同等以上の値を示した。フィチン酸の濃度の上昇とともに接着強さは向上する傾向が認められた。 以上の様に、一液化により効果は減少するが、従来の二液性プライマーの有効性は確認された。
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