研究概要 |
当初計画していた凍結資料では,なかなか研究の結果が得られなかった。この原因としては、必要な資料が得にくく,これらの癌が予後どの様になるのか不明でおることなどが上げられる。そこで,これらの資料に加え、パラフイン切片の資料を平行して行っている。これらの資料を平行して行うことで,重複癌症例や前癌病変の癌化症例とウィルス感染の関係についても検討可能になり,広範囲の癌症例の検討が可能となった。 口腔癌と良性腫瘍あるいは口腔粘膜を凍結後,あるいはパラフイン切片からのウイルスDNAを検討し,以下のことが明らかになった。 1)口腔癌でHPV16,21が比較的高い頻度で出現することが明らかになったが,これらのウイルスの感染と予後については結果が明確ではなかった。 2)健常者についても約10%HPVの出現があった。 3)重複癌患者についても,それぞれの癌に同じ型のウイルスが存在する場合があった。
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