研究課題/領域番号 |
05454560
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
眞木 吉信 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (80125012)
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研究分担者 |
杉原 直樹 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00246349)
東田 久子 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80085828)
大川 由一 千葉県立衛生短期大学, 助教授 (20211097)
奥田 克爾 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40085741)
高江洲 義矩 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60048303)
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キーワード | 歯根面齲蝕 / 要因 / 疫学 / 加齢 / 咬合接触状態 / 細菌叢 / 予防指針 |
研究概要 |
本研究は平成5年度より7年度までの3年間にわたるもので、本年度は、最終年度にあたるため、総括的な歯根面齲蝕の疾患の実態および要因の疫学的分析、さらには歯根面齲蝕の発現から進行までのstage別の病巣細菌叢と組織構造の変化をとらえ、この結果をふまえて予防指針の方向性を追究した。 1.首都園の企業と公的機関の従業員、20歳から59歳までの749名の成人集団を対象とした調査結果からは、職種による差異の他に、加齢、性差(男性に多い)、現在歯数、歯冠部DMFT、歯齦退縮、フッ化物配合歯磨剤の常用、歯間歯ブラシの使用が歯根面齲蝕の要因として挙げられた(口腔衛生会誌1995)。これに対して、老年者の場合は、歯齦退縮、出血、歯石、口腔清掃時間など主に歯周組織の状態に影響われることが予測された。また、歯根面齲蝕の最大の要因である歯齦退縮の発現には、喫煙と居住環境が影響していることも明かとなった(口腔衛生会誌1995、老年歯科医学1996)。 2.咬合接触状態と歯根面齲蝕の関連を追究したところ、歯頸部またへ歯根面部に何等かの欠損が認められる者では、咬合接触面積および咬合力において問題が指摘された。しかしながら、ストレスや咬合異常に基づく根面部の欠損との関連(abfraction または compression)は認められなかった。(口腔衛生会誌 1995、CEJの科学と臨床1995)。 3.歯根面欠損の種類による細菌叢の違いに対して、歯根面齲蝕のstage別の細菌叢には明確な変化は見出せなかった(J Dent Res 1995)。歯根面病巣の組織構造の相違については現在分析中である。 以上の結果から歯根面齲蝕に対する予防指針の立案を考慮している。
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