研究課題/領域番号 |
05454562
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
松本 光生 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00084294)
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研究分担者 |
清末 晴悟 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (60225092)
広瀬 武尚 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (90218842)
川越 仁 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40131859)
伊東 隆三 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (90122770)
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キーワード | 食物硬度 / 下顎 / 側方偏位 / 顎関節 / 病理組織学 / ラット |
研究概要 |
本年度は、固形食、練食および液状食でそれぞれ飼育した場合の成長期ラット顎関節におよぼす食物硬度差の影響を病理組織学的に検討することである。さらにそれぞれの食物硬度差の違いによって飼育したラット上顎右側臼歯部に、咬合斜面板を装着し、下顎を側方偏位させた際の顎関節の反応の違いを検討した。生後3週齢の雄性ラット(Spraugue-Dawley系)を3群(固形食、練食、液状食)に分けその後7週間飼育した。さらに同様に飼育したラットに、4週時に咬合斜面板を装着しそれぞれの飼料で飼育したものについて比較検討を行った。結果は以下のとうりである。1)食物硬度差による体重の著しい違いは認められなかった。2)関節円板部において、線維芽細胞の核の萎縮や結合組織線維のアトロフィーが固形食群に比べ練食群、液状食群で著明に認められた。下顎側方偏位にともなう結合組織線維の反応性の炎症は、特に液状食群で著しく認められた。3)下顎頭軟骨部では、下顎側方偏位にともない増殖軟骨細胞の扁平化と萎縮が認められ、増殖軟骨細胞層から成熟軟骨細胞層への移行が液状食群で著明に抑制されているのが認められた。これらの結果から軟食傾向が成長期ラット顎関節の成長や細胞に萎縮等の退行性変化をおよぼすこと、また下顎偏位にともなう外力の影響を軟食になるに従い強く受けることが示唆された。
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