研究課題/領域番号 |
05454565
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
瀬崎 仁 摂南大学, 薬学部, 教授 (50025681)
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研究分担者 |
多喜 陽子 摂南大学, 薬学部, 研究員 (90258088)
坂根 稔康 摂南大学, 薬学部, 助手 (50215638)
山下 伸二 摂南大学, 薬学部, 助教授 (00158156)
灘井 種一 摂南大学, 薬学部, 教授 (80076710)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 経口投与 / 薬物吸収 / 消化管灌流法 / ヒト培養細胞 / 薬動学的モデル / ペプチド性医薬品 |
研究概要 |
本研究は、ヒトでの薬物消化管吸収過程を数学的にモデル化し、種々の動物実験より得られた薬物固有のパラメータを組み込むことによって、ヒトにおける量的・時間的な吸収挙動全体を予測することを目的として行われた。 1.薬物固有の膜透過パラメータの算出とヒトにおける吸収性との相関性の検討 ラットの小腸を用いた灌流実験及びヒト大腸癌由来の培養細胞層を用いたin vitro膜透過実験から種々薬物の膜透過パラメータを算出し、受動拡散によって吸収される薬物においては実際の吸収との良好な相関が認められることを証明した。また、新しい膜透過パラメータとして膜透過に要する平均時間を算出し、実際の吸収挙動を考える上でのこのパラメータが重要であることを明らかにした。 2.経口投与後の薬物吸収に関する新しいモデルの構築 従来用いられてきた単純な1次速度モデルでは薬物経口投与後の血中濃度の時間推移を充分に評価し得ないことから、消化管内での薬物の移動及び消化管からの水の吸収等のパラメータを組み込んだモデルを構築し、ヒト経口投与後の血中濃度データの解析を行った。 3.ペプチド性医薬品の消化管内での分野と膜透過の分離評価に基づく吸収モデルの構築 小腸血管灌流法を用いて、新規ペプチド性医薬品として注目されているエンケファリン誘導体の消化管内での分解過程と膜透過過程を速度論的解析法によって分離評価した。その結果得られたエンケファリンの分解クリアランスと膜透過クリアランスを組み合わたモデルによって、経口投与後の吸収率の予測を行い、酵素阻害剤併用投与の有用性等を明らかにした。 これらの成果は、薬物の実際の吸収挙動を理解しその簡便な予測法の確立及び最適化に寄与するものと思われる。
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