研究課題/領域番号 |
05454573
|
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
粟津 荘司 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60012621)
|
研究分担者 |
富田 幹雄 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (60207610)
水間 俊 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80229715)
|
キーワード | 吸収促進 / Caco-2細胞 / タイトジャンクション / 細胞内カルシウム / ペプチド / グルコース輸送担体 / ビタミンA / エンケファリン |
研究概要 |
分担課題:消化管膜構造の修飾と吸収機能との関係及び糖鎖による小腸パイエル板の吸収能の改善 吸収促進剤C10とPCはともに細胞内Caイオンレベルを上昇させ、C10はこれに続くactomyosin ring cascadeの活性化によりtight junctionを開くが、PCは異なる機構によることを次により明らかにした。細胞骨格系キナーゼ阻害薬はC10の効果は減弱したが、PCについては異なっていた。またC10は膜の両側で有効だが、PCは粘膜側のみで有効であった。なおパイエル板における親和性の異なる種々のレクチンの透過性、分解性を検討する予定であったが、これについては見るべき成果を得られず、今後の課題とした。課題:新吸収促進剤の検討 ペプチダーゼ阻害薬がペプチドの分解を抑制して、吸収量を増加させるという知見に基づき、この阻害薬の吸収促進作用を検討した。exo形阻害薬は吸収促進作用を持つことが、非ペプチド化合物についても示された。これにより新促進剤の可能性が示された。課題:抗癌剤による膜障害に対するビタミンAの防御 ビタミンAはメトレキサートによる小腸の吸収能の低下をも防御した。課題:グルコース輸送担体の利用による吸収改善 1.糖カップリング法により糖修飾enkephalinを合成し、これの小腸吸収性を検討した。糖修飾によりaminopeptidaseによる分解は抑制されたが、enkaphalinaseによる分解は抑制されなかった。この酵素の阻害薬を共存させると、糖修飾enkaphalinの安定性は上昇し、吸収性は上昇した。糖修飾ペプチドの吸収改善への使用の可能性が示唆された。2.糖付加acetoaminophenを合成し、その吸収性を測定した。このものの吸収にはGlucose輸送担体が寄与することが示された。その寄与の程度はα-glucoside>β-glucoside>β-galactosideであり、従来の順序と一致していた。
|