研究課題/領域番号 |
05454579
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
前田 秀一郎 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10117244)
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研究分担者 |
岡田 芳家 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (70037274)
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キーワード | アミロイドーシス / トランスサイレチン(プレアルブミン) / 疾患モデルマウス / 家族性アミロイドポリニューロパチー / ジーンターゲティング / 胚幹細胞 / 遺伝性疾患 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
1.ジーンターゲティング法で作出した無トランスサイレチン(TTR)マウスとヒト変異ttr遺伝子を運ぶ家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)のトランスジェニックマウスモデルとを交配させて作出したヒト異型TTRのみを生産するマウス株をでは、月齢11ヶ月頃から消化管を中心にアミロイドが沈着し始め、月齢を増すにつれ、沈着臓器の拡大傾向が見出された。なお、これらマウスと正常TTRとヒト異型TTRとを産生する同月齢の対照マウスとには、アミロイドの沈着程度や沈着臓器に差異を認めなかった。また、これらマウスには月齢20ヶ月でも抹消神経にアミロイドが沈着せず、神経障害を認めていない。 2.遺伝子型、表現型ともにFAPにより近似した優れた疾患モデルマウスの作出を目的に、ジーンターゲティング法を用いて、マウスttr遺伝子の一方のアレルにヒトFAPの原因となる1塩基置換のみを導入する方法の確立を目指した。点変異導入用のベクターを取り込み、標的組換えで点変異が導入された2個のクローンの一つを3.7×10^4cells/6cm-dishとなるようにプレートし、FIAUで選択した。16個のFIAU耐性株を調べ、選択マーカー両端の繰り返し配列間の組換えでマーカーを欠失し、目的の点変異のみが導入された2個のクローンを見出した。そして、この変異ES細胞クローンをC57BL/6のブラストシストに注入し、キメラマウスを得ている。 以上の結果から、本法は簡便で効率の良い新しい点変異導入法として一般に応用可能と考えられる。
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