研究課題/領域番号 |
05454587
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
加藤 茂孝 国立予防衛生研究所, ウイルス製剤部, 主任研究官 (20211162)
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研究分担者 |
吉川 泰弘 国立予防衛生研究所, 筑波医学実験用霊長類センター, センター長 (80109975)
海野 幸子 国立予防衛生研究所, ウイルス製剤部, 主任研究官 (00223595)
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キーワード | 風疹 / 風疹ウイルス / 先天性風疹症候群 / 遺伝子診断 / 胎児診断 / エンベロープ蛋白質 / 突然変異 / 分子疫学 |
研究概要 |
本年は、初年度であるので、次の2点について研究を行い、次年度以降の基礎となる以下の実績を得た。 (1)遺伝子診断 平成3年9月に確立し風疹感染の遺伝子診断法を3疾患に対して応用し、現在までの通算で以下の成績を得た。今後ウイルス遺伝子の検出された症例において、ウイルス分離と、E1遺伝子の変異の比較を行う。 a)胎児風疹診断。112症例の診断を行い、33例において胎児由来組織から風疹ウイルス遺伝子が検出され、胎児感染陽性と診断された。陰性と診断された79例の内、55例は、既に出生しているが、その内には1例も障害はなく、この遺伝子診断法の信頼度が高い事が認められた。 b)風疹脳炎。風疹脳炎患者の髄液から、18例中5例においてウィルス遺伝子が検出された。検出は、脳炎発症1日目だけという極めて短期間であった。 c)先天性風疹症候群(CRS)の確定診断。CRSの疑いのある患者27名について、遺伝子診断を行い、14名に陽性の結果を得た。 (2)カニクイザルにおける催奇形モデルの確立。 3頭の妊娠カニクイザルに風疹ウイルス野外株を接種した。妊娠8周で接種した場合、11週の胎児には、血液中にのみ、ウイルス遺伝子が検出された。妊娠6周で接種した場合、9周で胎盤絨毛と胎児の脾臓、肝臓、大脳等に、検出され、ウイルスの母子間移行が確認された。今後、出生児が障害を持つか否かを検討し、モデル系作成の可能性を調べる。
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