研究課題/領域番号 |
05454591
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
片山 洋子 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (50047049)
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研究分担者 |
高橋 研一 大阪市立大学, 医学部, 講師 (40089959)
奥田 豊子 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (90047308)
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キーワード | 1,2-Dimethylhydrazine / 大腸癌 / beta-glucuronidase / ラクトスクロース / 結腸 / 盲腸 |
研究概要 |
著者らは高脂肪食にラクトスクロースを添加した食餌でラットを長期間飼育して、ラクトスクロースが大腸癌発症に対して抑制効果を有するかどうかについて知ろとして実験を行い、以下のような成績を得た。 3週齢のFishcr344系雄ラットを大腸癌化学誘発剤である1,2-dimethylhydrazine(DMH)を投与する群と投与しない群に分けた。DMHを投与した群は、さらにラクトスクロース(LS)食群と対照としてグルコース(GL)食群に分けた。DMH(20mg/Kg体重)の投与は週に2回の割合で4週間背部に皮下注射した。DMHを4週間投与したのちにラクトスクロースまたはグルコースを2%添加した高脂肪(20%サフラワー油)食を与えた。発癌の有無や盲腸内容物の成分の変動について経時的に観察するために、DMHを4週間投与したのち、24週目と35週目に解剖を行った。飼育期間中、体重と摂食量は毎日測定し、糞中のbeta-glucuronidase活性は毎週測定した。飼育終了後、盲腸および結腸内容物を採取し、pH、水分含量、内容物中のbeta-glucuronidase活性を測定した。癌発生の有無は、結腸粘膜について肉眼的ならびに顕微鏡下で観察した。また結腸上皮粘膜のOrnithine decarboxylase(ODC)活性についても測定した。 ラットの体重は3群ともに7週齢まで直線的に増加し、DMH投与による差は見られず、11週齢以降は体重増加が少なくなる傾向が観察された。DMHを4週間投与したのちに24週間高脂肪食で飼育した対照群もLS群も結腸病変部(ポリープ、腫瘍など)の発生は認められなかった。糞中のbeta-glucuronidase活性を週ごとに測定したところ、DMHを4週間投与したものは、DMHを投与しないラットに比べて、明らかに活性が高かった。また結腸上皮粘膜のODC活性もDMHを投与した群の方が高い活性を示した。DMHを4週間投与したのちに、35週間高脂肪食で飼育したLS群の結果についても検討中である。
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