研究課題/領域番号 |
05454591
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
片山 洋子 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (50047049)
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研究分担者 |
高橋 研一 大阪府立看護大学, 医学技術短期大学部, 教授 (40089959)
奥田 豊子 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (90047308)
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キーワード | ビタミンE(α-トコフェロール) / 運動 / 1,2-dimethylhydrazinc / 大腸癌 / 抗酸化酵素 |
研究概要 |
自発運動やビタミンE摂取が、生体内の抗酸化系にどのような影響を与え、大腸癌の発生に関係するのかどうかを検討する目的で以下の実験を行った。 ラットをコントロール食群(dl-α-tocopherol acetatc 100IU/kg)とビタミンE食群(1000IU/kg)に分け、さらに回転ケージによる自発運動群と非運動群に分けて飼育した。飼育開始4週間後から4週間にわたりDMHを投与し、その後27週間飼育した。解剖の後、大腸癌の発生率と組織中の抗酸化酵素、α-トコフェロール含有量および過酸化脂質量(TBARS)について調べた。結果は次に示すとおりである。1)回転ケージによる自発運動によって、大腸癌の発生が抑制される傾向が見られた。非運動群では、ビタミンEの投与により大腸癌の発生率が低くなる傾向が見られた。2)大腸粘膜、肝臓および腓腹筋のSOD活性とGPX活性には、ほとんど変化が見られなかった。3)各組織中のα-トコフェロール含有量はビタミンE食群で有意に高くなった。腓腹筋では自発運動により減少し、血清においてはDMH投与と自発運動により減少した。4)各組織中の過酸化脂質(TBARS)には顕著な変化は見られなかった。 ビタミンEの投与や自発運動によって、DMHにより誘発したラットの大腸癌の発生に影響を及ぼす傾向が見られた。しかし、ラットを35週間飼育した今回の実験では、抗酸化酵素の活性にはほとんど変化が見られず、抗酸化系と発癌との関連についは不明であった。したがって、DMHによる大腸癌の誘発の様々な段階において、運動トレーニングやビタミンEの効果がどのように現れるのか、さらに綿密な研究が必要であると思われる。
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