研究課題/領域番号 |
05454601
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報システム学(含情報図書館学)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山内 一信 名古屋大学, 医学部, 教授 (90126912)
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研究分担者 |
深津 俊明 名古屋大学, 医学部, 助手 (60228864)
池田 充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50184437)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | ニューラル・ネットワーク / ファジ-理論 / エキスパートシステム / 肝疾患 / 膵癌 / 前壁心筋梗塞 / 心電図自動診断 |
研究概要 |
本研究の目的はコンピュータを使用して検体検査情報の解釈を専門家と同じようにできる診察支援システムの構築にある。最初に肝疾患診断支援システムを作成した。肝疾患症例の慢性非活動性肝炎32例、慢性活動性肝炎45例、肝硬変36例、肝癌17例、脂肪肝21例、アルコール性肝障害14例を階層型ニューラル・ネットワークに入力して、誤差逆伝播法にによって学習し、慢性非活動性肝炎(40.6%)、慢性活動性肝炎(66.7%)、肝硬変(61.1%)、肝癌(35.3%)、脂肪肝(61.9%)、アルコール性肝障害(28.6%)の診断率を得た。専門医5人に検体検査診断を依頼し、その注目検査項目、診断過程の特徴を検出してニューラル・ネットワークに組込むと、診断率は慢性非活動性肝炎(78.2%)、慢性活動性肝炎(71.1%)、肝硬変(52.8%)、肝癌(70.6%)、脂肪肝(76.2%)、アルコール性肝障害(78.6%)と著しく改善し、これを肝疾患診断エキスパートシステムとした。ファジ-理論では検査項目ごとにメンバーシップ関数と診断論理(IF THEN RULE)を作成した結果、感度は高かったが、特異度が低かった。総合検体監査診断支援システムを構築する目的で、日本臨床病理学会提唱のルーチン検体検査26項目を用いて感染症、筋疾患、貧血、悪性疾患、腎尿路疾患、肝胆道疾患、糖尿病、消化器疾患、骨疾患、高脂血症、正常など系219名について枝分れ論理およびニューラルネットによって診断した。診断率は感染症50%、悪性腫瘍46%、筋疾患33%、貧血100%、腎尿路系疾患76%、糖尿病57%、消化器疾患45%、骨疾患12%、高脂血症72%であった。さらに同じ症例を使って各疾患ごとにその疾患であるか否かを識別する専門ネットワークから成るシステムを構築して鑑別診断を行うと、全体として84.7%の高い精度で識別ができた。従ってルーチン検査項目から専門ニューラルネットにより、ある程度の疾患群の予測ができることが判明した。
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