研究課題/領域番号 |
05454606
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
上口 勇次郎 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60091568)
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研究分担者 |
渡邉 誠二 旭川医学大学, 医学部, 教務職員 (10241449)
立野 裕幸 旭川医学大学, 医学部, 助教授 (80163492)
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キーワード | ヒト精子 / 中性子 / 染色体異常 / 凍結ハムスター卵 / γ線 / 精子凍結保存 |
研究概要 |
今年度は平成5年度と同様、ヒト精子染色体に及ぼすカリフォルニウム(^<252>Cf)中性子線の影響を調査すると同時に、ヒト精子染色体に及ぼす放射線の影響研究の簡便および効率化を計る目的で、凍結ハムスター卵の利用、ならびに照射精子の凍結保存も試みた。 (1)^<252>Cf中性子線のヒト精子染色体に及ぼす影響 健常男性から得られた精液試料を液化後に二分し、一方に1.0Gyの中性子線を照射した。他方は非照射対照群とした。受精能獲得処理後にハムスター卵と異種間体外受精させて、染色体標本を作製した。現在、詳細な分析を行っているところである。 (2)凍結ハムスター卵の利用 我々の方法で作製した凍結ハムスター卵を使って、ヒト精子染色体分析を行った。非照射精子、および0.5、2.0Gyの^<137>Cs・γ線を照射した精子を非凍結ハムスター卵と凍結ハムスター卵に受精させた。その結果、凍結ハムスター卵を利用してもヒト精子染色体異常の出現率および異常のタイプは変化せず、凍結ハムスター卵がヒト精子染色体に対する放射線の影響研究に利用できることが示された。 (3)照射精子の凍結保存 2.0Gyのγ線を照射した精液を二分し、一方を市販の精子凍結保存用溶液(TYH)を利用して液体窒素中に凍結保存した。他方は非凍結対照群として直ちに凍結ハムスター卵と体外受精させた。一カ月後に精子を解凍し、同様に凍結ハムスターを使って染色体分析を行った。現在までのところ、対照群:313精子、凍結群:551精子について解析を行っているが、両群で染色体異常の頻度やタイプに違いが認められておらず、精子凍結の影響はないことが示唆されている。
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