研究概要 |
研究目的に従って、研究計画を実施し、下記の実績を挙げた。 1)単環性芳香族炭化水素(MAHs)多重分解性細菌の同定と分解性(担当:八田 貴)。ビフェニールあるいはエチルベンゼンを用いて土壌より単離されたいた4株(CIR201,CIR202,CIR203,CIR204)の同定を行ない、いずれの株も細胞壁にミコール酸とジアミノピメリン酸を含むことから、グラム陽性細菌のRhodococcus属と同定され、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、ビフェニールとトルエンに対して多重的に資化能を示した。現在、遺伝子レベルでそれら分解系の関連性を調べている。 2)多環性芳香族炭化水素(PAHs)分解細菌の分解遺伝子のクローニング(担当:滝澤 昇)。Pseudomonas putida OUS82のフェナントレンとナフタレン分解上流系の遺伝子をクローニングし、両上流系遺伝子群は同一のものであることを明かにした[J.Bacteriol.176(8),in press]。更に、そのジオキシゲナーゼ遺伝子とジヒドロジオール脱水素酵素遺伝子の塩基配列から両酵素の1次構造を明かにした[J.Bacteriol.176(8),in press]。 3)2,4,6-トリクロロフェノール(2,4,6-TCP)分解系遺伝子の構造解析(担当:浄原法蔵)。P.pickettii DTP0602の2,4,6-TCP分解に係わる初発脱塩素酵素遺伝子の塩基配列を決定した。また、次段階関連遺伝子をクローニングした。 4)PAHs分解関連酵素の単離精製(担当:山中 啓)。関連酵素を多量に得るために、各酵素の遺伝子を発現ベクターにクローンし、大腸菌で高発現させることに成功した。
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