研究課題/領域番号 |
05454618
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)
|
研究分担者 |
柏木 敬子 千葉大学, 薬学部, 助手 (80169424)
柿沼 喜己 千葉大学, 薬学部, 助手 (80134394)
小林 弘 千葉大学, 薬学部, 助教授 (00090473)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
キーワード | ポリアミン / プトレスシン / スペルミジン / アンチザイム / オルニチン脱炭酸酵素 / 5′-untranslated region |
研究概要 |
1.ポリアミンは特定蛋白質合成を低濃度で促進し、高濃度で阻害する。このポリアミンによる蛋白質合成調節に5′-untranslated region(5′-UTR)のGC richな領域が関与していた。そのメカニズムは、リボソーム上でのmRNAとMet-tRNAの結合部位は部分的に重複しており、ポリアミンの結合により、RNAの高次構造が変化し、その重複が少なくなり、ポリアミンがリボソーム、Met-tRNA、mRNA三者複合体の形成促進引き起こすというものであった。 2.細胞内ポリアミン量は生合成と輸送の両者に依存している。動物細胞の場合は生合成の律速酵素であるオルニチン脱炭酸酵素(ODC)の分解を促進するアンチザイムという蛋白質がポリアミン輸送も負に調節していることが明らかとなった。すなわち、アンチザイムcDNAをマウスFM3A細胞にtransfectすると、ODC量の減少と共に、ポリアミン輸送活性も減少していた。 3.酵母をエチルメタンスルフォネートで処理し、ポリアミン輸送欠損株の分離に成功した。この株に酵母DNA断片を形質転換し、ポリアミン輸送活性が回復することを指標として、ポリアミン輸送蛋白質遺伝子のクローニングを試み、成功した。目下その塩基配列を決定中である。 4.大腸菌のスペルミジン優先輸送系は基質結合蛋白質(potD)、ATP結合部位を有する膜表在性蛋白質(potA)、及び2種の膜チャンネルを形成する蛋白質(potB及びC)から成り立っている。このpotAとD蛋白質の活性中心を変位蛋白質を作製し、活性測定することにより同定した。 5.大腸菌のプトレスシンの排出に関与するpotE蛋白質(プトレスシン・オルニチンアンチポーター)の活性中心を、この蛋白質に存在する16個の酸性アミノ酸(GluまたはAsn)を中性アミノ酸(GluまたはAsu)に変換することにより解析した。その結果、Glu207が活性中心であることが明らかとなった。
|