研究課題/領域番号 |
05454624
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
小出 武比古 姫路工業大学, 理学部, 教授 (60018695)
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研究分担者 |
徳永 文稔 姫路工業大学, 理学部, 助手 (00212069)
若林 貞夫 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (80148436)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | プロテインC / ワ-ファリン / ビタミンK / 293細胞 / BHK細胞 / 分泌異常 / 小細体内分解 / 品質管理機構 |
研究概要 |
先天性異常プロテインC遺伝子に起因する欠乏症および異常症発症の分子機構を解明すると同時に,タンパク質の膜透過・細胞内移行と分泌の分子機構を解明することを目的として以下のことを行った。 1.プロテインC組換え変異体の作製とその分泌機構の解析-PCR法により、ヒトプロテインCcDNAのArg15のコドンを部位特異的に変異させ、5種類(Gly、Trp、Gln、LeuおよびPro)の置換体をヒト腎由来の293培養細胞中に一過性に発現させ、その細胞内量と分泌量をELISA法で定量した。また、ステーブル293細胞を用いて、各置換体の分泌速度を定量した。その結果、プロテインCのArg15変異体は、置換アミノ酸残基によって変異体の分泌にかなりの差があり、Trp、LeuおよびPro変異体では欠乏症、GlyとGln変異体では異常症となることが示唆された。 2.ワ-ファリン存在下において合成されたプロテインC前駆体の分泌機構の解析-VKの拮抗剤であるワ-ファリン投与の際ヒトでは、PCやVII因子の血中濃度が著減する。ワ-ファリンのPC分泌への影響を調べる目的で、ヒト腎臓由来293細胞またはBHK細胞にPC遺伝子を導入し、VKまたはワ-ファリンの存在下でPCの分泌量及び分泌速度を調べた。その結果、ワ-ファリン存在下ではVK存在下に比べて細胞内にやや蓄積され、分泌は1/4量であった。また、パルスチェイス実験の結果、VK存在下では293細胞で8時間後、BHK細胞で6時間後にはラベルされた全分子が分泌されるのに対し、ワ-ファリン存在下では細胞内PCの減少を補完する量の分泌が見られず、総放射線量は293細胞で24時間後には元の30%に、BHK細胞で6時間後には23%に減少した。さらに、ワ-ファリン存在下のPCは小胞体に局在した。以上の結果から、ワ-ファリン投与下で合成されたPCはquality control機構により小胞体内で分解されることが明らかになった。
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