研究課題/領域番号 |
05454631
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
石村 巽 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40025599)
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研究分担者 |
江川 毅 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10232935)
三木 秀穂 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90229667)
島田 秀夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80095611)
広瀬 忠明 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60051405)
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キーワード | シトクロムP450 / 酸素の活性化 / 活性酸素 / オキシゲナーゼ / 酸素添加酵素 / 部位特異的アミノ酸置換 / Site-directed mutagenesis / NADPHオキシダーゼ |
研究概要 |
シトクロムP450による酸素(O_2)の活性化機構を解明するため、活性部位に存在するアミノ酸を非天然型アミノ酸で置換した酵素の合成を試み、すでにその予備実験に成功した。即ち、Norenら(Science244,182,1989)の方法に準拠してin vitro翻訳系と合成アミノアシルt-RNAを用いた蛋白合成を行い、酵素活性、吸収スペクトル共に天然シトクロムP450と変わらない酵素標品を得た。現在、242Threonineおよび357Cysteinを、それぞれHomoserineとSelenocysteinで置換した標品の合成を試みつつある。94年度には、これらの標品を多量に得て、反応機構を解析する。非天然アミノアシルt-RNAの大量化学合成は広瀬が、in vitro翻訳系を用いての蛋白合成は島田、石村が行った。 また、シトクロムP450反応のおける未知の反応中間体の追求を、新たに組立てたRapid scan absorption spectrophotometerを用いて、江川、石村が行い、低スピン酸化型シトクロムP450camとメタクロロ過安息酸との反応において、370および694nmに吸収極大を持つ新しい反応中間体の捕捉に成功した。この中間体はそのスペクトルの特徴からFerryl oxo cation radical(Compound I)と考えられ、理論的に予想はされていたもののこれまで誰も実証し得なかったものである。さらに、400nm付近に極大吸収を持つ中間体も得られ、これは上記の中間体が一電子還元されたCompound IIと思われるが詳細は不明である。現在、これらの中間体の電子構造を共鳴ラマン散乱などを用いて追求中である。NADPHオキシダーゼによる酸素活性化については、三木、石村が現在大量のブタ好中球酵素標品を作製し、そのヘム置換を試みつつある。
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