研究課題/領域番号 |
05454634
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
津田 基之 姫路工業大学, 理学部, 教授 (60045458)
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研究分担者 |
吉川 知志 姫路工業大学, 理学部, 助手 (90244681)
中川 将司 姫路工業大学, 理学部, 助手 (00212085)
岩佐 達郎 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (00133926)
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キーワード | 網膜 / グルタミン酸受容体 / 二次ニューロン / 過分極電位 / 双極細胞 / G蛋白質 / シナップス / 受容体 |
研究概要 |
脊椎動物網膜では視細胞で受けた光情報は、情報伝達物質であるグルタミン酸により二次ニューロンである双極細胞、水平細胞に送られる。双極細胞は二種類であり、グルタミン酸により脱分局するオフ型双極細胞と過分極応答をするオン型双極細胞がある。一般のニューロンは刺激により脱分極するので後者のオン型双極細胞は特異的である。本研究ではオン型双極細胞の過分極応答のメカニズムを同じ過分極応答をする視細胞の情報伝達系と比較しながら研究した。電気生理学的研究によればオン型双極細胞のG蛋白質は視細胞のトランスジューシンと同様、百日咳毒素とコレラ毒素の何れにも感受性があるとされた。我々は網膜から視細胞桿外節を除いた膜断片を調整し、百日咳毒素・コレラ毒素によるG蛋白質のADPリボシル化がオン型双極細胞に特異的なグルタミン酸類似体APBにより影響を受けるか調べたところ、百日咳毒素基室の40kDaの蛋白質のみがAPB感受性であることを明らかにした。従ってオン型双極細胞のG蛋白質はトランスジューシンと異なることを示した。その後、種々のクラスのG蛋白質のalphaサブユニットの抗体を得て、その交差反応を調べたところ、GiとGoのalphaサブユニットの抗体と反応した。しかし、SDSPAGEではこの2種類を分離することが出来なかった。そこで我々は2次元電気泳動を試みた。2次元電気泳動のゲルを用いてウエスタンブロットによりGialphaとGoalphaを分けることに成功した。このいずれが百日咳毒素基質かどうかを調べるためADPリボシル化した試料の2次元電気泳動を行ったが、G蛋白質が全てはゲルに展開されず今後の改良が望まれる。ラット網膜の切片に対してイムノサイトケミストリーを行ったところ、Gialphaの抗体は外顆粒層を染めたが、Goalphaの抗体は視細胞とオン型双極細胞の接触する外網状層と内網状層を染めた。この結果からオン型双極細胞のG蛋白質のGoクラスであることが推定できた。
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