研究課題/領域番号 |
05454653
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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研究分担者 |
山田 一実 広島大学, 理学部, 助手 (80220367)
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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キーワード | 発生 / ウニ / アリールスルファターゼ / 遺伝子発現 / シスエレメント / Gストリング / 転写因子 / インビトロ転写 |
研究概要 |
ウニ発生過程で発生時期特異的・胚組織特異的に発現するアリールスルファターゼ(Ars)遺伝子の転写調節機構の解明を目指して研究を進めているが、本年度は下記の成果を得た。 (1)Gストリング結合蛋白質の単離:Ars遺伝子上流のエンハンサー領域には多数のGストリング配列があり本遺伝子の転写調節に関与している。Gストリングを含むArs遺伝子制限酵素断片への特異的結合活性を指標として、Gストリング結合蛋白質の単離を行った。原腸胚核抽出液から、Gストリングを含むArs遺伝子断片を結合させたアフィニティカラム、DEAEセルロースカラム、硫安塩析、SDS-PAGE(12%)で活性画分を単1バンドとして単離した。一方、ウニ原腸胚から単離した合成poly(dG):poly(dC)結合蛋白質を用いた原腸胚cDNAのサウスウエスタン解析によって4種のcDNAクローンを得たが、その内の一つは脊椎動物U1snRNPと高い配列ホモロジーがあった。 (2)ドーサル配列結合活性の単離:ドーサルモチーフへの結合活性を目安に、ウニ胚核抽出液をアフィニティカラム、DEAEセルロースカラム、SDS-PAGEで分画し、68kD蛋白質を得たが、ドーサル結合蛋白質と同定するには至っていない。(3)Ars遺伝子インビトロ転写系:DNA結合蛋白質の転写因子活性を検索するためインビトロでArs遺伝子を転写する核抽出液系を作成した。この系はArs遺伝子の転写を活発に行うが、上流のエンハンサーをインビトロで働かせることには今の処成功しなかったので発生時期特異的転写をインビトロで再現するには至っていない。本系で使用するArs遺伝子断片の再構築が必要である。
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