研究課題/領域番号 |
05454653
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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研究分担者 |
山田 一実 広島大学, 理学部, 助手 (80220367)
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | ウニ / 発生 / アルールスルファターゼ / 遺伝子 / 転写 / シスエレメント / 転写調節因子 / Gストリング |
研究概要 |
胚の初期発生はきわめて多様な遺伝情報の発生時期特異的・細胞系列特異的な発現を精密に調節することによって支えられている。したがって、遺伝子の特異的発現の分子機構の解明が動物発生を理解する上で最も重要な課題の一つであることは言うまでもない。本研究ではウニ胚を材料としてこの研究課題の解明をめざした。本研究に先立つ数年間の研究によって、我々はウニ胚アリールスルファターゼ(Ars)遺伝子が発生時期特異的かつ胚組織特異的に発現することを明らかにし、バフンウニ胚からArsのcDNAと遺伝子をクローン化して塩基配列を決定した。2年間に亘る本研究では、ウニ発生におけるArs遺伝子の特異的発現を調節するシスエレメントの詳細な解析とシスエレメントに結合する転写調節因子の検出と単離を試み、次の成果を得た。(1)Ars遺伝子上流には多数のGストリング配列のほか、NF‐κBあるいはショウジョウバエのド-サル蛋白質結合配列が存在した。転写開始点の1.7kb上流から2.4kb上流に亘って極めてCTリッチなポリピリミジン領域があり、Hoogsten塩基対形成により3本鎖DNA構造をとっている。(2)遺伝子上流のGストリングとド-サル配列に特異的に結合する蛋白質がウニ胚細胞核に存在することをゲルシフト法で明らかにした。(3)Ars遺伝子の転写開始点から100b上流までが発生時期特異的転写を決定している。(4)しかし、Ars遺伝子の量的転写レベルを決めているのは、第1イントロン内の229b配列である。(5)第3イントロン内にはショウジョウバエのアンテナペディア蛋白質結合配列に類似するTAA反復配列があり、この配列に特異的に結合する蛋白質がウニ胚細胞核に存在する。ウニ胚をLi^+処理して中・内胚葉胚化すると、外胚葉特異的なArs遺伝子の発現は低下し、中胚葉特異的に発現する遺伝子SM50および、内胚葉特異的に発現する遺伝子ENDO16の発現が増大すること、このときTAA反復配列に結合する蛋白質量が増大することも明らかになった。(6)合成ポリdG・ポリdCをプローブにしたサウスウエスタン解析によりGストリング結合蛋白質のcDNAクローン4種を見いだしたが、これらのcDNAには大きなORFがあり、すべて、酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸の反復する配列をコードしているGAリッチ領域をもっている。また、DNA結合蛋白質に共通なセリン・アルギニンの反復配列も存在した。これらは新しいDNA結合蛋白質と思われる。(7)DNA結合蛋白質の転写調節因子活性を検定するためのArs遺伝子インビトロ転写系も確立した。
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