研究課題/領域番号 |
05454654
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
安部 眞一 熊本大学, 理学部, 教授 (90109637)
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研究分担者 |
山本 卓 熊本大学, 理学部, 助手 (90244102)
高宗 和史 熊本大学, 理学部, 講師 (20206882)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 精子分化 / 精原細胞 / 減数分裂開始 / セルトリ細胞 / FSH / Annexin V / JAK 1 / Activin A |
研究概要 |
(1)セルトリ細胞による精原細胞の増殖促進作用:精原細胞とセルトリ細胞を分離し、精原細胞のみを旋回培養して±FSHで[^3]thymidineの取り込みを調べても差はみられないが、セルトリ細胞を混ぜると+FSHの場合のみ増殖を活性化する。この系では精原細胞が早く死んでしまうので、精巣を解離、遠心してペレットにし、コラーゲンに埋め込んで培養すると、-FSHでは大部分の精原細胞が死んでしまうが、+FSHでは2週間目で多くの細胞が第一精母細胞へ分化した。この結果、FSHはセルトリ細胞を介して精原細胞の増殖を促進し、減数分裂を開始させることが示唆された。(2)annexin cDNAの分離:精原細胞ステージの精巣と精母細胞ステージの精巣をそれぞれウサギに免疫し、immunodifferential screeningをした結果、減数分裂の開始と共にmRNA量が増加するとクローンとして、annexin5を単離した。(3)イモリ精原細胞の増殖関連分子の検索:チロシンキナーゼの保存配列のプライマーを用いて精原細胞から抽出したRNAを鋳型としてRT-PCRを行ったところ、マウスのJAK1と88%の相同性を示すクローンを得た。in situ hybridization(ISH)の結果、精原細胞でシグナルが検出された。(4)イモリactivin/inhibin βA subunit mRNAの精巣における発現:RT-PCRによりactivin/inhibin βA subunitとβB subunit cDNAを単離した。ISHの結果、セルトリ細胞のみでβA subunit mRNAが検出された。精原細胞ステージの精巣断片を器官培養し、FSHをほ加えたところ3日目にβA subunit mRNAの発現量が増加し、7日目までのその発現が維持された。(5)ヒトactivin Aによるイモリ精原細胞の増殖活性の促進:精巣断片を器官培養し、activin Aを加えると、精原細胞の増殖を著しく促進した。これらの結果は、イモリ精巣においてFSHがセルトリ細胞に働いてactivin A遺伝子の発現を促進し、タンパク質が分泌されて精原細胞に働き、その増殖活性を促進するものと思われる。
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