研究課題/領域番号 |
05454661
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
稲垣 忍 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (90151571)
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研究分担者 |
古山 達雄 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20238702)
高木 宏 大阪市立大学, 医学部, 教授 (30163174)
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キーワード | 一酸化窒素 / NO synathase / 可溶性グアニレートシクラーゼ / 脳 / in situ hybridization / mRNA |
研究概要 |
細胞膜受容体を必要としない細胞間情報伝達物質である一酸化窒素(NO)が神経系で記憶や細胞死などに関与し機能していることが想像されているがその脳内における機能は全く不明である。私達はNOの作用部位を知るためにその作用部位と考えられる可溶性グアニレートシクラーゼのサブユニットごとの局在をin situ hybridization組織化学によって調べた。現在、ラット脳ではalphaとbetaサブユニットがクローニングされておりこれらを特異的に認識するオリゴDNAをアイソトープ標識したものをプローブとして組織のmRNAとハイブリダイズした。両サブユニットのmRNAは脳に豊富に発現しているが一般的にbetamRNAの発現の方が広範な分布を示した。alphaとbetaの両サブユニットが豊富に発現している部位は新線条体、側坐核、olfactory tubercle,分介条床核、内側手綱核、視床網様核、縫線核、橋背外側被蓋野、青斑核などであった。可溶性グアニレートシクラーゼはalphaとbetaのヘテロダイマーのとき酵素活性を有するのでこれらの部位ではNOなどによってこの酵素が活性化されcGMPを産生していることが示唆された。その他、alphaサブユニットのmRNAは余り発現していないが、betaが豊富に発現している部位として嗅球の僧帽細胞層と顆粒層、大脳皮質深層、海馬、視床下部、黒質、上丘などがあった。これらの部位では主にbetaサブユニットのみが発現していることになり酵素活性を有さないか、未知のalphaサブユニットが存在している可能性が示唆された。現在、ラットalpha2サブユニットのクローニングを行っており、その局在やいくつかのアデニレートシクラーゼなどの局在について研究を進めている。また、NO synathaseの抗体を用いて免疫組織化学法を用いてその局在について研究を進め、脳幹でカテコラミン含有ニューロンと相補的な分布を示すことを明らかにした。
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