研究課題/領域番号 |
05454665
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
芳賀 達也 東京大学, 医学部(医), 教授 (30011646)
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研究分担者 |
亀山 仁彦 東京大学, 医学部(医), 助手 (50224697)
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キーワード | ムスカリン受容体 / アセチルコリン受容体 / リン酸化 / Gタンパク質 / 脱感受性 / 神経伝達物質 / Gタンパク質共役受容体 / キナーゼ |
研究概要 |
ムスカリン性アセチルコリン受容体を対象としてアゴニスト依存性リン酸化の研究を行ない、これまでに以下の様な結果を得ている。(1)脳から部分精製したGタンパク質共役受容体キナーゼ(GRキナーゼ)によるムスカリン受容体m2サブタイプのリン酸化はG蛋白質βγサブユニットによって促進される。(2)βγによる活性化はロドプシンあるいはβアドレナリン受容体(βAR)を基質としても観察されるが、ロドプシンキナーゼ(RK)によるロドプシンの光依存性リン酸化はβγによって活性化されない。本年度は、下記の様な結果を得て報告した。(1)培養細胞に発現させたβアドレナリン受容体キナーゼ(βARK)もβγにより活性化される。βARKはRKよりC末端部分が長いが、その部分を削ったβARK変異種はβγにより活性化されない。βARKはm2をリン酸化する。(2)m2のリン酸化部位は細胞内第3ループ中央部分で、βARのリン酸化部位(C末端)とは異なり、アミノ酸配列にも共通性は見出されない。(3)m2のリン酸化部位を欠損した変異種は、リン酸化部位を含むグルタチオンS-トランスフェラーゼとの融合ペプチド(I3-GST)のリン酸化をアゴニスト依存的に促進する。(4)I3-GSTのリン酸化は、βγとマストパランによって相乗的に促進される。(5)マストパランの効果は、m2の細胞膜貫通セグメントIV、VI、VIIに隣接する部分の配列を持つペプチドによって代替される。これらの結果は、GRキナーゼがβγとアゴニスト結合受容体によって相乗的に活性化されることを示唆する。
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