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1993 年度 実績報告書

遺伝子導入法によるニューロンの発生分化機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05454670
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

吉川 和明  (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究部門, 副参事研究員 (30094452)

研究分担者 高城 啓一  (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究部門, 主事研究員 (30250202)
杉浦 弘子  (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究部門, 主事研究員 (40162870)
矢尾板 芳郎  (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究部門, 副参事研究員 (00166472)
キーワードニューロン / 発生分化 / P19細胞 / necdin / 核 / 個体発生 / 系統発生 / 遺伝子
研究概要

ニューロンの発生・分化モデルとしてレチノイン酸に反応して不可逆的に神経細胞に分化する胚性がん細胞(P19細胞)をレチノイン酸で神経細胞に分化させ、その際に誘導される新しい遺伝子としてnecdinを見いだした。cDNAを用いてマウス発生過程でのニューロンにおけるnecdin発現量をジゴキシゲニン標識のin situハイブリッド法で検討したところ、necdin mRNAは分化した直後のニューロンに発現し、ほぼ全てのニューロンに存在することがわかった。とくに、視床下部、扁桃体、海馬、脊髄前核などのニューロンに高レベルに存在するが、新皮質、小脳におけるレベルは比較的低いレベルであった。また、necdin mRNAのマウス新皮質の層分布では深部層ほど高い発現レベルを示すことが明らかになった。これらの結果、個体発生および系統発生上、早期に作られるニューロンほど高いレベルの発現を示すことが明らかになった。さらに、necdinの部分配列に対応する合成ペプチドに対する抗体を用いて免疫組織化学法を行ったところ、necdinは分化したニューロンの細胞核に存在することが判明した。次にnecdin遺伝子の発現がどのように制御されているかを検討するため、マウス遺伝子のクローニングをおこなった。マウス遺伝子ライブラリーからマウスnecdin cDNAをプローブとして、約6Kbのマウス遺伝子を含む染色体DNAをクローニングした。その構造を解析すると、イントロンを欠くことが判明した。このイントロンを欠く遺伝子構造は、神経特異的POU転写因子群にも共通の性質であり、necdinはニューロンの初期発生や転写調節に関連するものと予想される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yoshikawa,K: "Neurotoxicity of B arnyloid" Nature. 361. 122-123 (1993)

  • [文献書誌] 林 要喜知・吉川 和明: "アルツハイマー病の培養細胞モデル" 組織培養. 19. 303-308 (1993)

  • [文献書誌] 吉川 和明: "アルツハイマー病アミロイド蛋白質とニューロン死" 実験医学. 11. 68-73 (1993)

  • [文献書誌] 吉川 和明: "アルツハイマー病アミロイドタンパク質前駆体の分子神経生物学" 生化学. 65. 1149-1159 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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