研究課題/領域番号 |
05454683
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
山田 和廣 大分医科大学, 医学部, 教授 (20053027)
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研究分担者 |
堀内 桂輔 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50183603)
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キーワード | 筋収縮 / ケージド化合物 / クロスブリッジ / 螢光ATPアナログ / 筋線維 / 収縮蛋白質 / スキンドファイバー / レーザー光 |
研究概要 |
筋収縮の分子機構は、生体における諸機能にうち未だ未解決のまま残されている重要課題の一つである。ケージドATPなどのケージド化合物利用によって筋線維を対象とするクロスブリッジ反応の動力学的解析を行うことが可能となり、クロスブリッジによる力発生機構の解明のための重要な方法の導入がなされることとなった。本研究は、螢光ATPアナログを用いることによって筋線維の螢光標識を行い、ケージドATPなどを用いる筋線維を対象とする動力学的研究において筋の力学的応答に加えて、収縮蛋白質における力発生に関わる構造変化を検出しようとするものである。 トリニトロフエニルATP(TNP-ATP)によりスキンドフアイバーを螢光標識したのち、レーザー光を用いてケージドATPからATPを遊離させると、螢光強度が増大した。この螢光増大は、その速度が硬直クロスブリッジの解離と一致していることから、ATPのアクティブサイトへの結合によって生じた、、ミオシン頭部における構造変化に由来していると考えられる。カルシウムが存在するとき、ATPの光遊離によって、筋は硬直クロスブリッジの解離に引き続いて活性張力を発生するが、このとき上に述べた螢光はさらに増大する。このような螢光信号は、力発生状態におけるクロスブリッジの構造変化を示すものである可能性があるので、さらにこれら螢光信号の性質について研究を進めている。
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