アロIAトランスジェニックマウス(TgM)を作出し、肝に限局した自己免疫様病態モデルを確立する試みを行った。まずアロIA(A^d_αA^d_β)cDNAを調製してこれを了じめクローニングしてある血清アミロイドPタンパク質遺伝子につなぎ、C57BL/6(B6)マウス(ハプロタイプH-2^D)受精卵に導入して肝に限局してアロIa^d抗原を発現するTgMの作出を試みた。遺伝子が導入されているかどうかはTgMの尾の一部をとってSouthern blottingによって調べた。抗原の発現は免疫組織化学的染色法によって調べた。その結果、7系統のTgMが確立された。この中から、Ia^d発現が比較的強い3系統を選んで解析を進めることとした。 B6マウスTリンパ球を上記TgMに移入した場合に、T細胞中の特定のクローンは肝に発現されているIa^d抗原に反応して活性化し、肝に限局した移入細胞対宿主反応が起こり、我々が以前から研究している自己免疫性肝疾患類似の病変が出現してくることが期待される。現在この点を解析中である。
|