研究課題/領域番号 |
05455015
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
位藤 邦生 広島大学, 文学部, 教授 (10069536)
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研究分担者 |
吉田 典可 広島大学, 工学部, 教授 (60037728)
小林 芳規 徳島文理大学, 文学部, 教授 (10033474)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 角筆(かくひつ) / 角筆文献(かくひつぶんけん) / 片仮名(かたかな) / 平仮名(ひらかな) / 文化史(ぶんかし) / 画像処理(がぞうしょり) / 角筆スコープ / 日本文化 |
研究概要 |
本研究は角筆文献の発見者でありその後の角筆文献研究を領導してきた小林芳規を研究分担者に迎えて、角筆文献をさらに発掘し、従来の語学的見地からのみでなく、広く文化史資料として角筆文献を活用せんとする試みであった。さらに角筆文献によって得られる情報(文字情報および絵画情報)を画像処理によってコンピュータに入力し、それらの情報を国内外の研究者に提供する方法の研究を同時に行ってきた。 位藤邦生は山口県宇部市厚東にある恒石八幡宮蔵『角筆下絵八幡大菩薩御縁起』に注目し、これを三原市御調八幡宮蔵『角筆下絵八幡大菩薩御縁起』と比較することによって両本の関係や中世において寺社縁起の類がどのようにド伝播したかの研究を進めた。小林芳規は二年間にわたって全国各地の図書館や文庫に赴き、多くの角筆文献を発見調査した。これまでの全発見点数は平成7年3月現在で1,485点にのぼっている。そうした発見の文献の中には、大英博物館蔵の敦煌文献中にあった角筆文献があり、日本における角筆文献の淵源としての中国大陸での角筆使用の実態を探ることが今後の重要な研究課題となった。また高野長英が獄中で書いた角筆による手紙が解読され、脱獄の半年前から長英が脱獄の意思を持っていたことが判明した。広島大学が新たに購入した角筆文献の中には千利休の聚落屋敷の絵図等があり、これには角筆で方眼が描かれている。角筆文献の大半は漢籍であるが、山林の境界線を角筆で描いたものなど、さまざまな分野の文献が発見され、文化史的見地からの研究は今後ますます重要になることが予想される。文字だけでなくこうした絵画・地図資料等をコンピュータに入れて提供する方法の検討も今後併せて行われなければならない。
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