研究課題
1 レール製造と搬入・据付大同特殊鋼kk渋川工場において7トンの試料溶解を行い、四面鍛造機により156×187×10300mmのスラブインゴットに鍛伸後、第一熱処理船橋工場において800℃×6hr焼きなまし、強制空冷した。心配していた鍛造割れや熱処理に伴うひずみも発生せず、作業は極めて順調に進行し、11月中旬に三井造船玉野研究所に移送した。引きつずき、プラノミラーと大型プレーナによる切削加工を行い、新幹線用60kgレールに成形した。12月下旬にはすべての作業を終了し、JR総研日野土木実験所に搬送して、外観と加工精度のチェックを行い、設置を完了した。実体から採取した試験片の制振性は、今までの小規模試料よりかえって特性が優れていた。レール試験は平成7年2月7日に落重試験、同2月8日に走行実験が行われ、トラブルもなく、無事終了した。解析結果がまとまるのは本年5月末の予定である。2 コルゲーション試験1〜2t×160φの円盤試料を焼きなまし材と5%加工材について作製し、すべりを与えながらコルゲーション実験を行った。比較材は200回転において激しいコルゲーションを発生したが制振試料は何れの場合も5000回転後でもコルゲーションを発生せず、極めて優れていることが実証された。3 制振性能の向上研究本年度後半になって、5%加工後500℃×3hr焼きなまして更に3%加工すると制振性がかなり向上し、この処理を2〜3回繰り返すと制振性向上に極めて有効なことが判明した。これをトレーニング法と名ずけたが、残念ながらレール走行試験には間に合わなかった。