研究課題
動脈硬化の構築・細胞の認識を血管内腔面から、内膜肥厚部位の観察し、紫外領域のレーザーを照射することで得られる物質の自動蛍光をとらえ、膠原線維・弾性線維あるいは粥状物質を判別して認識する事を試みた。各組織の波長解析により各構成成分を明らかに認識判別するためには、更に今後の画像処理装置の改良が必要である。光感受性物質を投与しての内膜肥厚部位の観察は、各成分の光感受性物質の保持力の相違を利用し、構成各細胞の認識を試みる訳であるが、各細胞の感受性物質保持時間には明らかな相違を認めるに至らず、現在光感受性物質投与量・投与方法等の再検討を行っているところである。動脈硬化の構築構造の認識は、共焦点レーザー走査顕微鏡によって得られる一定深度での連続的画像をコンピューターにて高速画像処理し、3次元的構築を試みた。しかし、現在使用している画像処理装置では画像処理にかなりの時間を要する事、また構築された画像が微細な構造を表現不可能な事から、更なる装置の改良が必要と考える。レーザーにて蒸散された血管内腔の再構築についての実験は、各細胞外マトリックスで蒸散部位を被覆し、内皮細胞を接着させる事を目的としているが、マニュピュレーターでのマトリックスの被覆を均一に行うことに苦慮しており、現在装置の改良を考慮中である。本年度の研究成果は上記の通りである。