研究課題
試験研究(A)
現在、全国で60万人近くの受験生が大学入試センター試験を受験するので、その影響は極めて大きく、それにともなって、作題委員の心理的負担も大きい。もし作題の際に、出題したい術語や概念が、どの教科書にどんな頻度で扱われており、また、どのような文脈で出現しているかが、すぐに取り出せれば、作題委員によけいな負担をかけることなく、手際よく良問を作成してもらえる。この研究では、教科・科目の特徴を考慮して、理科系から生物IIと数学I、文科系から世界史Bを代表としてとりあげ、教科書全文の入力をし、入試問題作成に必要な用語の検索を可能とするデータベース、HisTexDBシステムを開発した。システムは、3つのサブシステムからなっている。一つは、教科書全文登録システムである。二つは、インデックス作成システムである。三つは、教科書データベース検索システムである。さまざまな試行錯誤の後、生物に関しては、実用に供することのできるシステムの開発ができ、試験問題作成委員の評価も高かった。同じような手順にしたがって、世界史はじめ、教科書全文データベースから恩恵を受けることの多い地理歴史、公民、理科を中心に実用システムの構築に進めるまでの成果が得られた。さらに、現在、大学入試センターにおいて、開発実用している、試験問題データベースと統合した、総合的な試験問題作成支援データベースシステムの構築を目指している。