研究課題/領域番号 |
05551001
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩本 隆茂 北海道大学, 文学部, 教授 (10000605)
|
研究分担者 |
山田 弘司 酪農学園大学, 教養部, 講師 (60210473)
田山 忠行 北海道大学, 文学部, 助教授 (50163704)
和田 博美 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90191832)
|
キーワード | トルエン / ラット / 条件性場所選好法 / 依存性 / 血流内薬物値モニタ / ハト |
研究概要 |
本年度の研究成果は、以下の通りである。 一方の箱は暗く、他方の箱は明るい2個の箱からなる「条件性場所選好(CPP)テスト装置」を用い、トルエンによる依存性の形成を検討した。ラットはトルエン投与時にCPPテスト装置の一方の箱に、統制条件時には他方の箱に、それぞれ入れられた。そのさいに本研究によって開発させた装置を作動させ、血流内のトルエン値をモニタした。 テスト時には自由に双方の箱を探索させ、トルエン投与時のさいに入れられた箱の滞在時間(CPP時間)を測定した。実験仮説は、《トルエンに対する依存性が形成されていれば、CPP時間は増大する》である。 得られた結果は、以下の通りである。 (1)トルエン100mg/kg、及び200mg/kg投与条件では、CPP時間は9回目までは徐々に減少した。 (2)トルエン100mg/kg投与条件では、CPP時間に変化がなかった。 (3)トルエン600mg/kg、及び800mg/kg投与条件では、CPP時間が一時的に減少したが、投与9回目までには回復した。 (4)トルエン50mg/kg、及び600mg/kg投与条件では、CPP時間は投与18回目以降は次第に増大した。 (5)トルエン200mg/kg条件では、CPP時間は急激に増大したが、その後は次第に減少傾向を見せ、投与21回目にはもとの水準に戻った。 これらの結果から、トルエン依存性が形成された個体と、そうではない個体が見いだされ、また、依存性が形成された個体でも投与量と投与回数に応じて結果が異なっていた。今後、検討すべき多くの問題点が提起された。 また、被験動物としてハトを用い、血流内のトルエン値をモニタしつつ、ラットにおける上記の実験場面とほとんど同一の条件下での訓練が、現在進行しているところである。
|