研究概要 |
情動の生理的な指標として多用される従来型脈波センサーの欠点を洗いなおし,新しい多用途型の脈波センサーを試作完成して,主として心理学,精神生理学の各種実験と臨床検査場面への適用をはかる目的で進められた研究は,当該年度までに以下の実績をあげた. 1.近赤外線を発光する超小型ランプは,従来のタングステンランプよりも発光ダイオードを使用した方が,光源としてのスペクトルに安定性が増し,かつランプからの発熱を大幅に防げることが性能検査の結果確認出来た. 2.赤色光と赤外光を同時に発する試作センサーの使用経験では,赤色光をONにして赤外光をOFFにすると,得られる脈波の波高が減じる.一方,赤色光をOFFにして赤外光をONにすると,理想的な脈波の波高を得ることが出来る. 3.上記センサーを測定部位に装着する場合に,20-30グラムの圧をかけると理想的な脈波が得られる. 現在は試作品を生体を適用してデータ増をはかると共に,計量化をめざした導出線の選択と,センサーの埋込素材及び多様な体表部位に装着可能なケースの形状を設計している.
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