研究課題
本研究では、教材開発システムとしてパーソナル・コンピュータをホストとしたコンピュータ・ネットワークシステムを開発した(名称「東北大学教育情報ネットワーク」)。構築したシステムの運用を通して、教師や研究者の教育実践や研究をネットワークを介して多くの教師たちと共有でき(資料をファイルに取り込むことによって各自の授業や研究に利用できる等々)、さらに、教材情報ネットワークシステム上での討論(やり取り)によって教材や授業の長所を確認し、改善点を明らかにすることができた。従って、本システムは、地域に根ざし、かつ、地域の壁を越え、教材の研究、授業の改善を行なうシステムとして有効であることが確認できた。このようなシステムが各地に設置され、かつ、個々のネットワークがインターネットかされれば、授業研究みならず学校教育そのものをより一層改善することに貢献できるであろう。さらに、運用の中で以下のメリット及び問題点も明らかとなった。(1)今回の開発したシステムは大がかりなコンピュータシステムを必要とせず、手持ちのパーソナルコンピュータによって簡単に構築でき、かつ運用コストも非常に低くおさえることができる。(2)本システムは、簡単なコマンド入力によって利用可能なものであるが、ワープロまたはパーソナルコンピュータの操作が出来るという前提条件が必要である。今後、あらゆるレベルの教師が利用可能なシステムにするにはユーザー・インタフェースをさらに改良す余地がある。(3)この情報システムの利用には、端末装置を立ち上げネットワークにアクセスする必要がある。日常業務を終えて帰宅した後、この作業をする余裕が個々の教師に残っているかが問題である。今後、職場においても教材研究の一環として自由にネットワーク・システムを活用できる環境が整備される必要がある。