研究課題/領域番号 |
05554001
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 修二 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025483)
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研究分担者 |
若木 守明 東海大学, 工学部, 教授 (20100993)
片坐 宏一 東京大学, 理学部, 助手 (70242097)
長田 哲也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80208016)
野口 邦男 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (10111824)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 赤道儀式光学ベンチ / 赤外線放射 / 冷却光学系 / Metal mirror |
研究概要 |
本年度の目標は赤道儀式光学架台に冷却望遠鏡を搭載することであった。 昨年度3月7日に開閉式の建物が完成し、その中に3月20日に望遠鏡を設置した。この望遠鏡の赤道儀式架台の性能を調べるために口径50cmの標準的な反射望遠鏡を搭載し、様々な試験観測を行なって、機械的な特性と問題点を洗いだした。また、これを搭載するための検出器、チョッピング装置、ロックインアンプ等を自作して、一応の観測が可能になるようにした。10月から、これらを搭載して観測を行なった。様々な問題を残しているものの、この測光観測およびCCDによる撮像観測から、この赤道儀光学架台が実験開発望遠鏡として動作することががわかった。ソフトによる補正のためのパラメータも決定でき、これによって、現在よりも優れたポインティングやトラッキングが可能となろう。しかし、メガトルクモーターという新しいタイプのモーターを導入したためにソフトウエアが複雑でしかもサーボが不安定なために暴走を繰り返して、本格観測に入ったのは11月であった。 このガイド望遠鏡を用いて、メシアIIIシステムの検出器駆動、観測装置駆動、およびデータ収集解析のシミュレーションを行ない、画像を得る一連の試験に成功した。 本来の目的であったチョッピングを用いないDC観測法である口径25cm冷却望遠鏡は予算と時間の不足のため、現在止まった状態である。この内、光学設計は決着したが、機械設計が終わった段階で、3つの問題が浮かび上がった:1)“窓"材の強度と結露 2)フィルター回転用冷却モーターの耐久性 3)金属鏡の素材の入手不能 である。3)は阪神大震災によりメーカーが一時供給不能になったためであり、中部大学難波教授の努力でようやくメドが付いた。項目1)については 口径30cmのCaF2が製作可能となり、現在その試作をしている。項目2)は連続長時間運転における小型モーターの不調により、試験が長びいている。これについては当初の多色フィルター撮像を変更して、波長2.4μmの1波長のみの撮像を目指すことにする。今後、新たな予算を導入して2次元赤外線InSbセンサーを導入し、小規模試験をすることによって、早期に低バックグラウンド放射冷却望遠鏡の実機製作のめどを付けたい。
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